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安倍首相が「日本のコロナ対策を世界が注目」と厚顔無恥の自慢! 海外メディアは政権にボロクソ、死亡者数もアジアで最悪の部類なのに 

 しかも、なぜか感染拡大を抑え込めた理由について、イギリスのガーディアン紙は、日本におけるマスクを着用する習慣や、握手やハグではなくお辞儀でコミュニケーションをとること、土足で家に上がらないなどの習慣が「日本の感染者数の少なさの要因として挙げられる」と指摘(前出・朝日新聞)。一方で、コロナ対策の陣頭指揮をとる安倍首相に対しては、「小さく、汚さが指摘されたこともあったアベノマスクはソーシャルメディアで嘲笑の的だった」とアベノマスクの不評ぶりを紹介したり、「安倍首相は自ら国民に“3密”回避を呼びかけたが、ほとんどの賞賛は、戦いの前からウイルス対策の習慣で武装した、国民の静かな決意に向けられている」などと冷ややかな視線を向ける(ハフポスト23日付)。

 ようするに、海外メディアは日本の感染者・死亡者数の抑え込みについて、安倍首相の手腕などではまったくなく、国民の習慣に起因するのではないか、という見立てをおこなっているのだ。それを安倍首相は「私たちの取り組みは確実に成果を挙げており、世界の期待と注目を集めています」などと語り、あたかも自分の手柄のように語ったのである。

 だが、さらにつっこんでおかなければならないのは、日本の死亡者数の世界との比較についてだろう。ここでも、安倍首相は重要な事実を覆い隠したからだ。

 前述したように、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダというG7の国のなかでは、人口10万人あたりの感染者・死亡者数が日本はもっとも少ないが、アジア・オセアニア地域で比較すると、日本はとても褒められた数字ではけっしてない。

 実際、前出の朝日新聞の記事によると、10万人あたりの死亡者数は〈アジア・オセアニア地域の多くの国々で日本の0・64人より少なかった。たとえば、初期の水際対策が奏功した台湾の累計死者は7人で、10万人当たりでは0・03人だった〉と指摘。台湾のみならず、中国やオーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、韓国といった国々のなかで、日本は10万人あたりの死亡者数がもっとも多いのだ。また、英オックスフォード大学に拠点が置かれた「Our World in Data」によると、中東を除くアジア地域のなかで日本よりも死者数が多かったのは、フィリピンとモルディブだけだという。

 ようするに、G7という欧米諸国と比較すれば死亡者数は少ないものの、アジアのなかで見れば、日本はむしろ死亡者数が多い国であり、悪い結果となっているのだ。

 どうして欧米は感染者・死亡者数が多く、東アジアなどではそれが少ないのか。生活習慣に起因するのか、人種による遺伝的な違いがあるのか、はっきりとした原因はわかっていない。しかし、はっきりと言えることは、アジア圏で比較すれば日本は死亡者数の多い国である、ということだ。

 しかし、安倍首相はその事実を無視し、安倍首相は支持率回復のために国民のナショナリズムをくすぐるように「日本スゴイ!」と煽ったのである。

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