フジテレビ『ワイドナショー』5月17日放送より
検察OBまでが異例の反対声明を出し、検察庁法改正案が見送られ、あげくは黒川弘務・東京高検検事長の賭け麻雀が発覚。「抗議している人は勉強不足」などと言っていた三浦瑠麗ら安倍応援団や冷笑系のバカさ加減が改めて明らかになったが、そのなかでさすがの狡猾ぶりを発揮したのが、指原莉乃だ。
すでに報じられているとおり、17日放送『ワイドナショー』(フジテレビ)で、検察庁法改正案に多くの芸能人が抗議の声を上げているというトピックについて、東野幸治から、指原のもとにも発言を求める声があったかと振られ、こう語った。
「きてました。『どう思うんですか?』って。だけどやっぱり私はまだそこまでの、固い信念を持つほど勉強できてなかった」
「Twitterを書いている人が、みんながみんな勉強していないとはまったく思わないです。もちろん勉強した上で書いてる人もたくさんいると思うんですけど、もしかしたらたった一人が言っていることを信じて書いている人もいるんじゃないのかなって思っちゃいました」
「私も実際に芸能の方のツイートを見て、ああこういうのがあるんだと知ったので、それを知っている人がそういうふうに広めてくれて、勉強する、関心を持つという点に関してはすごくいいなと思いました。
ただツイッターですごく簡単に表された(改正案の)相関図が載って、それが拡散されてここまで大きくなったと思うんですけど、本当にそれを信じていいのか、双方の話を聞かずに、どっちもの意見を勉強せずに、偏ったやつだけ見て、『えっそうなのヤバイ広めなきゃ』という人が多い感じがしています。正直この件に関しては私はそこまでの信念がなかったのでつぶやけなかった」
自分も勉強不足と謙遜しているふうを装っているから、あまり批判されていないが、実際のところ、これ、言っていることは安倍応援団とたいして変わらなくないか。
本当に自身が勉強不足で信念もなく発言できなかったと思っているだけなら、発言している人を評価しておけばいい。しかし、指原はそうではなく、「たった一人が言っていることを信じて書いている人もいるんじゃないのかな」「双方の話を聞かずに、どっちもの意見を勉強せずに、偏ったやつだけ見て、『えっそうなのヤバイ広めなきゃ』という人が多い感じ」と、勉強不足の者が多いと批判していた。
自分が勉強不足だからツイートできなかったという部分も含めて、勉強不足の人は発言するべきではないという、抗議の声を抑圧するメッセージを発していたのだ。
これには、即座にEXITの兼近大樹がごくまっとうな反論をしていた。
「勉強しないと参加したらいけないのが政治っていうわけじゃなくて、誰でもたぶん発言する、批判することって自由だと思うんですよね。それをたぶん大人たちが都合悪いから、若者が参加するだけで叩かれたりとか。芸能人なんて特に影響力あるから言わないでくださいとか言われるんですけど、そんなの影響力は自分で持ったので、自分で思うことを発言するのは本当に自由だと思うので」
「いちばん残念なのは、きゃりーぱみゅぱみゅさんがツイートして叩かれて、それを見た若者たちが、やっぱり政治に参加したらこういう嫌な思いするんだな、大人からこういうこと言われるんだなっていうので衰退していくのがいちばんダルイっすね」
しかし、付け加えておかなければならないのは、指原の勉強不足発言は、「やっぱり政治に参加したらこういう嫌な思いするんだな、大人からこういうこと言われるんだな」と批判を恐れて発言を封じられた結果の「芸能界的に模範的優等生な発言」などですらないことだ。