しかも忘れてはならないのは、上述のとおり、今回の岡村の発言はたまたま口が滑ったというようなものではなく、岡村自身の差別意識によることだ。実際、岡村が公の場で女性蔑視発言や差別発言をしたのは、はじめてではない。
たとえば、芸能人の不倫をめぐる発言にも顕著だ。千原せいじの不倫については「なんか、1個ステージ上がった気がするんですけど……せいじさんの」「結局、せいじさんって、そんなにダメージないで」と、逆にステージが上がると予想し、東出昌大の不倫については「結婚したらモテたらあかんの」などと擁護したが、矢口真里や後藤真希ら女性の不倫については「俺はすぐにゲー吐くわ」「お前エロガッパやったんか?」「無理かな」「そんなん許したらアカン」などと非難。男性の不倫については擁護し、女性の不倫については非難するという典型的な男尊女卑発言を繰り返している。
さらに酷かったのが、昨年9月、韓国の人気オーディション番組『PRODUCE 101』(Mnet)の日本版『PRODUCE 101 JAPAN』(TBS)で岡村が司会を務めたときのことだ。
当時、本サイトでも指摘したが(https://lite-ra.com/2019/09/post-4983.html)、岡村はこの番組の公開収録で、差別発言やセクハラ発言を連発。怒りを覚えた公開収録の観覧者たちがSNSにその内容を投稿し批判したという一件だ。
『PRODUCE 101 JAPAN』は男性アイドルグループのメンバーを選ぶオーディションだったが、岡村はステージ上で男性器の名称を何度も口にしたうえ、練習生に向かって「ちくび見えちゃいそうだね」「曲中に下脱ぐの?」「お尻ザラザラやろ」といった言葉まで投げかけたという。男性同士だからといって、対抗する手段を持たない練習生に向かって吉本興業所属の大物芸人がこんなことを言うのは、セクハラであると同時にパワハラだ。
また『PRODUCE 101 JAPAN』には、日本以外からも、韓国、カナダ、フィリピンから練習生が集まっていたが、岡村は彼らに対し、差別以外のなにものでもない「イジり」をしていたという。
たとえば、韓国出身の練習生やカナダ出身の練習生に対しては、得意ではない日本語で一生懸命話しているのにも関わらず、「何を言っているかわからない」などと、日本語が拙いことを茶化すような発言をしていたという。また、日本語の堪能なイ・ミンヒョクに対しては、何度も、「パク・チソン」(京都パープルサンガやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した韓国を代表する元サッカー選手)と呼んでいたとの証言がある。
母語でない言語の拙さを揶揄することも、外国人の名前をわざと間違えることも、れっきとしたレイシャルハラスメント、人種差別そのものだ。