表紙やソデだけでなく、中身もすごい。松久氏は〈すべての神と宇宙存在を超える88次元意識エネルギーを有する88次元Fa-Aドクタードルフィン〉〈神々を修正する神ドクター〉を称し、自分にしか〈いまの人類と地球を救うことはできないのです〉と謳う。そして〈コロナウイルスの出現はUFO(神出鬼没)の原理と同じである!〉との謎理論を展開するのだ。
〈コロナウィルスには、ミロク(369)の世を生み出すお役割があります。
コロナ(567)は、ミロクをあらわしています。
弥勒菩薩は釈迦の入滅後、56億7000万年後にあらわれると言われているからです。
『日月神示』でも、五六七をミロクと読ませています。
また、コロナとは、太陽の周囲をとりまく光のエネルギー輪のことを指し、世を輝かせる天照大御神と卑弥呼エネルギーでもあり、新しい人類と地球の誕生を意味しています。〉
いや、これって完全に……。すでにこの時点で、普通の読者には“電波系”としか思えないだろうが、さらに、松久氏は「コロナウィルス」をこう讃えてみせる。
〈そもそも、高次元でみれば、
コロナウィルス自体は、
人類と地球を次元上昇させるために、
人間に学ばせてくれる、
愛と感謝を送るべき存在です。〉
昭恵夫人が松久氏と知り合ったのは今から2年ほど前らしいが、こうした“スピっぷり”が夫人の琴線に触れたことは想像に難くない。
しかし、松久氏の著書『ウィルスの愛と人類の進化』が問題なのは、非科学的な主張によって感染拡大を招きそうな“トンデモ”がオンパレードなことだ。
〈咳をしたからウィルスが飛んでいくとか、握手したからとか、ドアノブにさわったからウィルスがうつったとか、いつまでそんな低次元に生きているのですか。〉
〈地球の皆さん、今メディアや学識者が言うコロナウィルスに対する考え方と対処法は、全く正しくありません。それらは3次元の思考です。真理の高次元思考では、ウィルスは、私たち地球人に大事なことを教えています。〉
〈ウィルスにも、意識があるのです。ですから、愛と感謝で彼らウィルスを受けとめるのです。ありがとうと伝えるのです。〉
〈不安と恐怖によって、彼らは目の前にパッとあらわれて、ふえるのです。今クルーズ船は、メディアが不安と恐怖でたたいているから、ウィルスがふえるのは当たり前です。ホワイトホールから無限にコロナウィルスが誕生します。伝播でも伝染でもありません。〉
〈ウィルスは伝播するのではありません。マスクはもちろん通ってしまいます。隔離された部屋の中で、何もないところに、または、口の中で急にウィルスが生まれます。「100匹目のサル」現象と同じです。地球の裏側でも同時発生します。これを知らないのは低次元過ぎます。〉
〈ウィルスは、不安と恐怖が増強させる波動生命体です。ただただ、彼らに愛を送ればよいのです。〉
ちなみに、松久氏は〈コロナウィルスの集合意識と宇宙の高次元意識にアクセスしました〉〈コロナウィルスと私がしゃべったのです〉などと言い出し、〈コロナウィルスを愛する人間が、ウィルスを消し去り、笑う。これが、真理です〉などと断じている。