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自民党がまた『モーニングショー』に圧力! 内閣府政務官の和田政宗が青木理発言に「事実でない」と噛みつくも嘘は和田のほうだった

 青木氏と玉川氏の懸念はまさに的を射たものだ。周知のとおり、安倍政権はメディアに対して陰に陽に圧力をかけ、政権に批判的な報道をことごとく封殺してきた。しかも、新型コロナ感染拡大の危機に乗じて、これまで以上にメディア介入をしてきている。青木氏が指摘した『モーニングショー』を名指しした圧力はその典型といえる。

 ところが、この青木氏らの発言から1時間も経たない、まだ番組放送中の9時22分、同日自民党の和田政宗参院議員がこんなツイートをしたのだ。

〈先程テレビ朝日「モーニングショー」で、緊急事態宣言とメディアの話の中で青木理氏が「この番組も自民党のツイッターで批判されたが、向こうのほうが嘘だった」という内容の発言をしたが、党のツイッターは嘘はついておらず事実ではない。
皆様はこうした発言をどう思われるでしょうか。〉

「どう思われるでしょうか」などと一見穏当を装っているが、この和田議員のツイートを合図に、ネトウヨたちが青木氏や玉川氏、『モーニングショー』への攻撃を展開していた。

 しかし、和田議員の〈自民党のツイッターは嘘はついておらず事実ではない〉という主張こそ真っ赤な嘘だ。

 前述したように、『モーニングショー』については、厚労省、内閣官房、自民党広報の3者が攻撃を仕掛けてきていた。そのうち、マスク配布の不備について報道をデマだと攻撃した厚労省は自分たちの間違いを認めている。

 一方、自民党広報と内閣官房が攻撃したのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏の「新型インフルエンザ等対策特措法の改正」についてのコメントだった。3月6日、自民党広報のアカウントは以下のようにツイートした。

〈3/5テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で「総理が法律改正にこだわる理由は『後手後手』批判を払拭するため総理主導で進んでいるとアピールしたい」との政治アナリストの発言がありました。
#新型インフルエンザ等対策特措法 の改正を目指す理由は?(1/2)〉
〈#新型コロナウイルス はウイルスとしては未知のものではないため「未知のウイルスしか対象としていない」現行の法律が適応できません。不測の事態に備えるため「打てる手は全て打つ」というのが法律改正を目指す理由です。
引き続き、新型コロナウイルス 対策への皆さんのご協力をお願いします(2/2)〉

 ちなみに自民党広報アカウントに先立って、内閣官房もほぼ同内容のツイートも投稿していたが、そもそも、政権の思惑を分析する論評にまで反論してくるということ自体、明らかな言論弾圧だろう。

 しかも、それだけでなく、この反論の内容じたいが青木氏の言うとおり「嘘だった」のだ。

 自民党広報のツイッターは「特措法では未知のウイルスしか対象としていない」などと主張しているが、特措法にはそんなことは一言も書いてない。一方、感染症法では、新感染症は〈既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもの〉とある。普通に考えれば新型コロナもこれにあたると解釈できるし、特措法が適用できるはずだ。

 これは何も本サイトだけが主張していることではない。政府の新型コロナ専門家会議のメンバーで特措法の立法にも専門家会議議長として携わった岡部信彦・川崎市健康安全研究所長も、国会で“新型コロナは特措法に適用可能”だと認識を示している。

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