『バイキング』に出演した相澤氏
森友問題の決裁文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻が第三者委員会による再調査を求める署名を「Change.org」で開始、27日午後からはじまったこの署名が、わずか3日で20万人を突破したことが大きな話題となっている。
赤木さんの遺書と手記をスクープした元NHK記者の相澤冬樹・大阪日日新聞記者によると、これは日本で始まった署名キャンペーンでは「最も多く、最も速い新記録の達成」だといい、2日12時現在でも27万人を超え、署名数は増えつづけている。
さらに、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、赤木さんの妻の「全告白」と題した記事を掲載。遺書と手記が公表されたというのに、いまだに再調査を拒否しつづける安倍首相と麻生太郎財務相だが、赤木さんの妻は記事のなかで「安倍首相、麻生大臣の姿を見たり声を聞く時は身体中の血液が凍りつきます」と、亡き夫の最期の叫びを無視する2人への怒りを隠さない。
そんななか、いまもっとも焦点があたっているのは、赤木さんが遺書や手記とは別に、生前にまとめていたという「極秘ファイル」の存在だ。
じつは、この「極秘ファイル」について、3月30日放送の『バイキング』(フジテレビ)が紹介。相澤氏をゲストに招き、「極秘ファイル」の中身について解説したのだが、その際、赤木さんの妻も放送中に重要な指摘をおこなったのだ。
まず、この「極秘ファイル」とはどんなものなのか。先週発売の「週刊文春」4月2日号掲載の赤木さんの妻の証言によると、赤木さんが「極秘ファイル」を残していたことを明かしたのは、2019年3月9日に1周忌の直後に赤木さん宅を訪れた池田靖・統括国有財産管理官(当時)。そのとき、池田氏は赤木さんの妻にこう話したという。
「赤木さんはきっちりしているから、文書の修正、改ざんについて、ファイルにして、きちっと整理していたんです。検察がガサ入れに来た時(注・強制捜査ではないので、任意提出と思われる」、赤木さんは『これも出していいですか?』と聞いてきた。パラッと見たら、めっちゃきれいに整理してある。全部書いてある。どこがどうで、何がどういう本省の指示だったかって。修正前と修正後、何回かやり取りしたようなやつがファイリングされていて、パッと見ただけでわかるように整理されている。これを見たら我々がどういう過程で改ざんをやったのか全部わかる」
つまり、誰からの指示で、どういうふうに公文書を改ざんしたのか、その全容を赤木さんは詳細にわたって記録していた、というのである。『バイキング』で相澤氏は「改ざんのビフォー・アフターがすべてわかる」ものだと述べたが、これが改ざんの真相を探る上で重要証拠になることは疑いようもない。
実際、この「極秘ファイル」の存在について説明を受けた『バイキング』MCの坂上忍も、「これ、全部実名ですよね」と相澤氏に確認すると、相澤氏は「おそらくね。内部文書ですから」と返答。だが、問題は、この「極秘ファイル」の行方だ。
「極秘ファイル」の存在を明かした池田氏は、赤木さんとどんなやりとりをしたのか、赤木さんの妻にこう語っていた。
「赤木さんもそこは相手が検察なんで気になって『出しますか?』って。僕は『出しましょう、全部出してください』と言って持っていってもらったんです。全部見てもらって全部判断してもらったらいいという思いですから。僕ら的には改ざんなんかする必要は全くなかったですし」(前出・「週刊文春」4月2日号より)
ようするに、改ざんの全容が書かれたこの「極秘ファイル」は検察に任意提出されたものと見られるわけだが、番組内で相澤氏はこんな見立てをおこなっている。
「これ、いわゆるガサ入れの押収じゃなくて任意提出なので、普通に考えると普通、原本、絶対残すんですよ。もしくは原本を出すのならコピーを残すんですよ。全部持っていく必要ないので。だからたぶん、財務省(近畿)財務局に、そもそもあると思うんですね」
「普通はこれ、捜査終わったら、(検察は)証拠返します。時間だいぶ経ってるんで、普通でいえば返していると思いますが、ただこれもですね、返すときに普通、絶対コピー取りますよね。重要な証拠物ですからね、(コピーして)たぶん返しただろうと。だから私はおそらく、これは近畿財務局と、大阪地検の両方にあると思います」