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「人工呼吸器不足」は安倍政権の責任だ! 1月から野党が指摘していたのに放置、3月29日になっても「増産を調整している段階」

首相官邸HPより)


 20日に過去最多となる202人の感染が確認された上、経過が心配されていた志村けん氏が死去したと報道され、一気に危機感が高まっている新型コロナ問題。そんななか、世界で懸念されているのが、人工呼吸器不足だ。

 感染者の数が世界一位となったアメリカでは、米食品医薬品局(FDA)が22日に人工呼吸器製造認可にかんする規制を緩和し、トランプ大統領も27日に「国防生産法」に基づいてゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の生産を命令。イギリスもボリス・ジョンソン首相が15日に家庭用掃除機で有名なダイソンに人工呼吸器の製造を電話で打診、ダイソンは10日間で大量生産が可能な新たな人工呼吸器を開発に成功したという。

 このように国が主導して人工呼吸器の増産を進めている一方、日本の閣僚からは信じられないような言葉が飛び出したのだ。

 西村康稔・経済再生相は昨日29日にフジテレビの『日曜報道 THE PRIME』に出演、人工呼吸器について「増産できるのかどうか、いま調整をしている」と発言。さらにその後、国立国際医療研究センターを視察した際も、「経済産業省で人工呼吸器を3000台確保しているが、万が一の事態に備えて増産ができないかと調整している」と記者団に語ったのだ。

 ようするに、日本はいまだに人工呼吸器の増産を「調整している」段階だというのである。


 あらためて指摘するまでもなく、日本で国内初の感染者が確認されたのは1月16日で、アメリカやイギリスなどの欧米諸国よりも早く感染拡大の懸念が示されてきた。さらに中国・武漢の状況から重症者は人工呼吸器の装着が必要になることは早い段階からわかっていた。なのに、国内初の感染者が出てから2カ月半も経っているというのに、人工呼吸器の増産体制がまだ取れていないとは……。

 だが、これはある意味、当然の結果といえる。というのも、安倍政権に人工呼吸器不足への危機感がまるで感じられなかったからだ。

 実際、1月31日の参院予算委員会では、日本維新の会の柳ヶ瀬裕文参院議員が人工呼吸器と人工心肺(ECOMO)がどれくらい使用できる状況なのかを質問したが、そのとき加藤勝信厚労相は「日本全体でどのぐらいあるのか、あと実態どのぐらい稼働しているのか、ちょっとその辺を含めて情報収集はしたい」と実数すら把握していないことを露呈。さらに、2月18日の衆院予算委員会では、立憲民主党の川内博史衆院議員から「新型コロナで対応できる人工呼吸器は全国で何台くらい使用可能なのか」と問われた際は、「8988台。そのうち約4割ぐらいが使っている状態」と答弁した。

 つまり、この2月18日の時点ですでに、増産しなければ全国で5000台しか人工呼吸器が使えない状態にあると加藤厚労相自身が認めていたのである。

 ところが、3月14日におこなわれた安倍首相の会見では、安倍首相自ら「人工呼吸器は現時点で3000個を確保」と発言。まるで十全の態勢が取れているかのような口ぶりだったが、加藤厚労相が答えた5000台よりもいつのまにか2000台減っていたのだ。しかもこのとき、安倍首相は「予算措置を講じ、さらなる整備に取り組んでまいります」と述べたが、この発言から2週間を経ても、「増産できるか調整中」の状態で、いつまでに何台確保する予定なのか、その具体的な日程・数字さえあきらかにされていないのである。

 1月末から指摘されていた問題を、目に見えて感染が拡大している状況に陥るまでほったらかしにしつづける……。1月時点から安倍政権の対応は後手後手だと言われていたが、反省するでもなく、その体質はいまも何も変わっていないのだ。

 こうした問題は、人工呼吸器にかぎった話ではない。その最たる例が、マスク不足だ。

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