感染者数を少なく見せるために、さらに行き当たりばったりの対応への批判を封じ込めるための「WHOのお墨付き」を得るために、何百億も金を積む……。しかも、安倍政権はこの金で買った称賛を、恥も外聞もなくフル活用している。
テドロス事務局長は16日の会見で「検査!検査!検査を!。疑わしいケースはすべて検査してほしい」と各国に検査体制を強化するよう呼びかけた(テドロス事務局長の「検査!検査!検査!」発言について、「『感染者との接触者が症状を示した場合のみ検査することをWHOは推奨する』と追記し修正した」との情報が出回っているが、この追記は接触者の検査に関するものであり、「疑わしいケースはすべて検査してほしい」との発言を修正するものではない)。昨日17日おこなわれた衆院厚労委員会では、野党統一会派の山井和則衆院議員がこの発言を取り上げ、日本のPCR検査の現状がこれに反していると追及。だが、これに対し、加藤勝信厚労相は、こう答弁したのだ。
「テドロス事務局長は『日本は非常に封じ込めをうまくやっている』、こう評されているんですよ。本人が言っておられるんですから。まさにこれは日本向けに言っておられるということではなくて、広く世界向けに言っておられる」
感染者数を少なく見せるためにクルーズ船の事例をWHOとマスコミに除外させたかと思えば、かたや退院者の数を多く見せるためにクルーズ船の事例を含めて国民に発表する。さらには日本のPCR検査の実施状況に海外から疑問の声が上がるようになると、WHOへの多額の寄付によって事務局長からリップサービスを引き出し、それをもとに「日本の封じ込めはWHOからの評価されている!」と国会で振りかざす……。ようするに、安倍政権の新型コロナ対策とは、こうした詐欺的行為によって支えられているのである。
だが、今回の本当の敵は、金や圧力でどうにでもなるマスコミやWHOではなく、忖度が通用しない新型ウイルスだ。批判は封じ込められても、情報操作をすることに躍起になってばかりの安倍首相に、感染拡大を封じ込めることなどできるはずがないだろう。
(編集部)
最終更新:2020.03.18 12:43