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久米宏が高まる東京五輪同調圧力に徹底抗戦!「大反対の気持ちは変わらない」 JOCが戦前並み「日本全員団結」CP始めるなか

 さらに、久米が繰り返してきた批判のひとつには、東京五輪を招致した者たちが声高に「復興五輪」などと喧伝してきたことがある。

今回の1月4日放送でも「3兆円!? 東京オリンピック3兆円!? 復興オリンピックって言ってたんですよ? 東北の。どこが復興なの?(中略)あの3兆円を全部東北にかけていたら、どれだけ復興したか」と静かに怒りをあらわにしていたが、じつは久米は2013年9月7日放送回、つまりブエノスアイレスのIOC総会で東京開催が決まる寸前の放送でも、東北をダシにする招致のやり方に苦言を呈していた。

「東京にオリンピックを誘致することによってね、『東北の復興の役に立ちたい』、あるいは『東日本大震災の被災者の方にオリンピックを呼ぶことによって勇気をあげたい』なんて言い方をしているんですよ。そんなもんで勇気があげられるのかって、東京にオリンピックを呼ぶことで被災者の方に。その言い方がすごく目立っていて、なんとも気に食わないんですよね」

ダシにしたのは東北だけではない。安倍首相は2017年に共謀罪を成立させる理由として、五輪開催を持ち出したからだ。これにも久米は2017年5月20日放送回で吠えた。

「なにそれ(笑)。ブエノスアイレスの東京誘致のときにそんな話、出ました? いまになって『共謀罪を成立させないとオリンピックが開けない』(なんて)。もっとひどいのは、『東京オリンピックまでに憲法を改正したい』っていうね(苦笑)。それはないだろ!?(中略)共謀罪も東京オリンピック、憲法改正も東京オリンピック。東京オリンピック、こんなにダシに使っていいの?」
「そりゃないだろって。そんなにオリンピックを利用するのって、ヒトラーじゃないんだからさ。オリンピックを利用しちゃいけないんですよ、本当に。オリンピック憲章に書いてあるんですから」

 安倍首相による五輪の政治利用はいまも現在進行形でつづき、東京五輪を持ち出しては「日本が世界の真ん中で輝く年に」「新たな時代を切り拓く1年」などと言い、あからさまに憲法改正に話をつなげる有様だが、このように五輪がアスリート本位ではなく「国家ありき」であることこそ、久米が五輪に懐疑的である理由なのだろう。

 実際、東京開催が決定する以前、2012年のロンドン五輪開催の直前である7月21日放送回では、「僕、『オリンピックが嫌い』というのとちょっと違うんです。『好きになれない』っていうのが正しいかと思う」という久米が、その理由をこう語っていた。

「たとえば、北島康介選手が金メダルを獲ったとき、ほとんどの人は日本が金メダルを獲ったと勘違いをするんです。でも、獲ったのは北島選手と、彼のコーチと、彼を支えている人たちで、けっして日本が獲ったわけじゃない」
「だから、国旗掲揚して国歌が流れるのがいちばん嫌いなんですよ、オリンピックで。個人とコーチとその周辺の人たちががんばったんだろ」
「オリンピックの開会式の入場なんかでもそうなんですけど、まず役員から入場してくるんですよ。おっさんたち。選手団が後なの。あれも理解できないんですよ。選手が先だろ、おまえ。(中略)役員団の人たちこそが国なんですよ、つまり。僕に言わせると」

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