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NHK紅白歌合戦でMISIAがレインボーフラッグ掲げ性の多様性を訴え、稲垣吾郎MC新番組では局内の性的マイノリティの声を紹介

 実際、NHKが年末に“LGBTと多様性”を扱った番組は『紅白』だけではなかった。12月27日には、稲垣吾郎がMCを務める『不可避研究中』という番組がスタートした。ジャニーズ事務所から独立後はじめての地上波レギュラー番組ということでも注目を集めていたが、その初回放送のテーマがまさに「ジェンダー」だったのだ。

 番組は、〈世の中の誰もが避けて通れない「不可避」な問題をディレクターたちが独自の視点で研究し、思わず考えたくなる動画を作成〉というコンセプトで、短い動画を流し、稲垣らがスタジオでコメントする流れ。初回放送では、「女の子だから」という声に疲れている人たちの街頭インタビュー動画や、日本のあまりに低いジェンダー・ギャップ指数に踏み込む寸劇の動画、アンケートで集まった「○○は男性差別では?」との疑問をディレクターが田嶋陽子氏ら女性学研究者・フェミニストたちに正面からぶつける動画など、様々な方向から「ジェンダー」を考えるというものになっていた(各動画は番組公式Twitterでリンクが貼られている)。

 また、スタジオでも、稲垣吾郎とゲスト出演者の市川紗椰が、自分の身の回りで体験した「同性の友だちをめぐる偏見」を語る場面があった。

 「僕の話になっちゃうんだけど、何年か僕ほら、ちょっと『おじさんと一緒に暮らしてる』みたいな、けっこうテレビとか出てて、ニュースとかなったんですよ。ヒロくんっていう友だちなんですけど。すごく友だちで、家族みたいで、今日もこのあと会うと思うんですけど。それが、なんかすごく騒がれたんですよ。すごく仲のいい同性の年上の友だちと、ほぼほぼ半同棲にしていたというだけで、ちょっとそこに過剰に反応しているのがびっくりしたんだけど」(稲垣)

「それは私もわかります。高校の一番の親友がレズビアンのコなんですけど、それを(人に)たまに言うと、ずっと『市川のこと好きなんじゃない?そのコ』とかすごく言われるんです。(私が)ただの友だちだと言っても。そういう前提で話しかけられるのはすごいびっくりします」(市川)

 このように、上から目線で「LGBT」を扱うのではなく、あくまで身近な人たちとして寄り添ったNHKの『不可避研究所』だが、その初回放送のなかでもチャレンジングだったのは、やはり、「NHKのトイレで、ジェンダーについて考えてみた」という動画だろう。

 この動画では、トランスジェンダーの建築家・サリー楓さんがハンディカメラを持ち、NHK局内のトイレを検証。「多機能トイレが女性トイレに一旦入ってからというのが、他の並んでいる方からの視線が気になる」「男性用トイレ(の個室)にはゴミ箱がない」「女性から男性に性別を変えられた方って、生理が来たりする方も中にはいる」など、トランスジェンダー当事者として指摘した。

 さらに同じ動画では、なんとNHKではたらく性的マイノリティの人たちに直接インタビューをし、その声を地上波で伝えたのだ。

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