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2019年参院選ウヨミシュラン(後編)

参院選「ウヨミシュラン」選挙区編で危険性をチェック! ネトウヨ、ヘイトとの関係、人権否定、歴史修正主義 …

礒崎陽輔(大分)☆☆ 安保で10代女性に論破、立憲主義は「聞いたことない」

 第二次安倍政権で首相補佐官(国家安全保障担当)などを歴任した安倍首相の右腕。2012年の自民党改憲草案の原文を執筆したことでも知られる。もともと日本会議や神政連議連所属のタカ派だが、礒崎氏といえばやはり、2015年の安保法制をめぐって言い放った「法的安定性は問題ない」だろう。何が何でも成立ありきのトンデモとしか言いようがない。また、同年6月には、Twitterで安保法制について、〈「うちにはまだ延焼していないので、後ろから応援します。」と言って消火活動に加わらないで、我が家を本当に守れるのかという課題なのです〉なる意味不明なたとえ話を展開したのだが、これを一般ユーザーの10代女性に〈戦争と火事は全く別物〉などとあっさり論破されてしまった。このやり取りの中で、礒崎氏は〈中身の理由を言わないで結論だけ「バカ」というのは「××」ですよ〉〈あなたこそ、一から勉強し直してください〉などとブチ切れるという醜態を晒していた。改憲で日本を“戦争のできる国”に変えようとしながら、その実、憲法や法律の基本を理解していないというのは、まさに安倍首相とソックリだ。最後に礒崎氏の過去のツイートをもうひとつ引用しておこう。
〈時々、憲法改正草案に対して、「立憲主義」を理解していないという意味不明の批判を頂きます。この言葉は、Wikipediaにも載っていますが、学生時代の憲法講義では聴いたことがありません。昔からある学説なのでしょうか〉(2012年5月28日)


尾辻秀久(鹿児島)☆☆ 慰安婦問題で教科書圧力をかけた中心人物

 厚労相や参院副議長を経験したベテラン政治家。みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会(靖国議連)会長、日本会議の代表委員(平成29年名簿)も務める。1996年には、自民党が教科書への「従軍慰安婦」記載などをめぐって、内容や検定内容を見直すことなどを狙いとして発足した「教育問題に関するプロジェクトチーム」の事務局長に就任。靖国神社については大臣時代も含めて終戦記念日に毎年参拝しており、「(中韓両国から)批判されることがまったく理解できない」などと発言している(産経新聞2013年8月16日)。


安里繁信(沖縄)☆ 基地問題ごまかす自民系候補は「親学」高橋史朗とも対談

 自民・公明・維新が推薦するシンバホールディングス前会長。JC(日本青年会議所)の元会頭。対立候補の無所属新人・高良鉄美氏は辺野古新基地建設反対を強く訴え、安倍政権の方針を「民主主義の破壊」と徹底批判しているが、安里氏は「推進とは言わない」とするにとどめている。安里氏はもともと知事選への出馬が取り沙汰されていたが、情報誌「FACTA」2018年7月号によれば、菅官房長官と安里氏を繋げたのはあの元TBS記者の山口敬之氏だという。月刊「MOKU」2009年4月号では、トンデモ疑似科学「親学」で知られる日本会議の学者・高橋史朗氏と対談している。


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 前後編に分けてお届けしたウヨミシュラン、いかがだっただろうか。しかも、恐ろしいことに、ここに挙げた候補者は、ヤバい右翼思想の持ち主のほんの一握りにすぎない。極右議員は自民党にまだうじゃうじゃいるのはもちろん、日本維新の会、さらには、あのヘイト的な色合いの濃い「NHKから国民を守る党」(通称N国)も注視せねばならないだろう。

 N国は、一見すると、安倍忖度のNHKを批判するような政党名だが、実際は代表である元NHK職員・立花孝志氏が森友問題にかんする“同和利権”デマを吹聴するなどネトウヨとの親和性が非常に高い。統一地方選でN国から当選した地方議員のなかには、在特会らと行動をともにし民族差別を煽動した中曽ちづ子・川西市議など、極右レイシストが複数いる。

 しかも、N国は「泡沫」と言われながら、合計で41名の候補を擁立。比例区の議席や、政党要件のひとつである「得票率2%以上」を獲得する可能性がある。仮にこの二つを達成すると、N国に血税から政党交付金が交付されることになる。

 いずれにしても、安倍自民党を中心として、参院選後、こうした勢力が合同して、民主主義や人権を否定する政治をどんどん推し進めていく可能性があるのだ。この国はどんな未来を選ぶのか。それは有権者にかかっている。

最終更新:2020.11.21 11:53

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