もうおわかりだろう。ジャニーズ事務所は一代でジャニーズ帝国を築き上げた創業者で、歴史に残るプロデューサーの深刻な容態を、なんと、自社タレントである嵐のイベントのプロモーションに利用したのだ。
恋愛や結婚など私生活の発表とPRイベントを絡ませ、テレビやスポーツ紙、ネットニュースに取り上げられやすくするというのは、近年よくあるPR手法だが、今回は恋愛や結婚などの私生活を宣伝のネタにするのとはワケがちがう。日本の芸能界にとって歴史的な人物の生死にもかかわる話なのだ。それを、自社タレントのイベント宣伝に利用するというのは、いくらなんでも軽薄だし、グロテスクすぎるだろう。
しかも、これはついでに利用したというようなレベルの話ではない。先日の記事でもお伝えしたが、ジャニー氏の容態をめぐっては、ジャニーズ事務所が異常とも言える箝口令をしいていた。安否や病名はおろか、入院の事実さえ徹底的に伏せ、御用メディアに一行もそのことを書かせない姿勢は、異常ともいえるものだった。
22日には一部ネットメディアが死亡説を報じ、23日日曜日あるいは週明け24日にジャニーズ事務所からジャニー社長の死去が正式発表がなされるとのデマ情報までがネットだけでなく、メディア関係者の間でもまことしやかに流れていた。
「18日から22日は連日ジャニーズタレントたちが絡むイベントがあったが、ジャニー氏にかんする話題は一切ご法度だった。当初はタレントのイベントに水を差さないように秘密にしているんじゃないかという見方が有力だったんです。だから、イベントのない6月23日に死亡が発表されるとの憶測が広がった。23日はジャニーズNo.2とされる東山紀之がMCを務める情報番組『サンデーLIVE!!』があるため、そこで第一報が報じられるのではないか、と」(テレビ局関係者)
しかし、23日にもなんの発表もされなかったため、今度はジャニー氏の姉であるメリー喜多川副社長のお気に入りの近藤真彦がレースで滞在していたドイツから帰国するのを待っているのではないか、との観測も流れた。
とにかく憶測が憶測を呼ぶ状態だったが、それでも、ジャニーズはこうした噂を打ち消すことすらしなかった。
ところが、死亡説が流れてから10日、あれだけ厳しい箝口令を敷き、他のタレントから遠ざけてきたジャニー氏の病状の話題を、突然、嵐に語らせたのである。
救急搬送からほぼ2週間、このタイミングでの発表になった理由は全く説明されていない。これは、詳細な診断に時間を要したからとか、状態が落ち着いたからとか、危機的な状況を脱したからとか、治療の見通しが立ったからとか、このタイミングで発表する合理的な理由がまったくなかったということだ。
「そう考えると、ジャニーズは最初から嵐に発表させるために、緘口令を敷いていたとしか思えない。嵐は5人そろって会見したり囲み取材に応じること自体が稀で、加えて、月曜日に発表すれば、櫻井翔がキャスターを務める『news zero』(日本テレビ)で、他の情報番組に出演するジャニーズタレントに先駆けてコメントを語ることもできる、ということでこの日が選ばれたんでしょう」(スポーツ紙 J担記者)