事実、沖縄・高江の米軍ヘリパッド建設に対する反対運動では、政府は全国から機動隊約500人を投入。抗議する市民は座り込みという非暴力で抵抗するも、機動隊は強制的に排除し、機動隊員が女性の首をしめあげたり引き倒したりと、暴虐としか言いようのない異常な光景を繰り広げた。その上、市民による抗議活動を取材していた琉球新報と沖縄タイムスの記者を警察が強制排除し拘束するという、報道の自由を侵害する行為までおこなわれたのだ。
さらに、自民党の長尾敬衆院議員は高江の市民強制排除を〈ほぼ内乱状態〉〈反対派市民ではなく、活動家達〉などとTwitterに投稿し、安倍応援団たちもさまざまなデマを流して市民の弾圧を正当化。また、辺野古の新基地建設反対運動をリードしてきた沖縄平和運動センター・山城博治議長は、不当逮捕・長期拘留するという露骨な政治弾圧もくわえられた。
市民に暴力をふるい、記者を拘束し、運動のリーダーを長期拘留し、政権与党の議員や首相の支持者らが弾圧を正当化するためのデマを垂れ流す──。程度の差はあるとはいえ、やっていることは中国共産党とそっくりではないか。
前述した周庭さんは日本記者クラブでの会見の最後に、日本語で「香港も、日本も、本当の民主主義がありますように。」というメッセージを書いた。これについて、東京での集会を企画した元山氏は、Twitterにこう綴った。
〈香港の人々が声をあげる動きは心から応援する。
そして“日本も”というのは本当にその通りだと思う。
日本に“本当の民主主義”はあるのだろうか。
私から言わせれば、香港は沖縄、中国は日本と重なってみえる。〉
民主主義と自由のためにデモに参加し、声をあげた100万人以上もの香港市民たち。日本における政権批判のデモも、わたしたちの民主主義を守るためという意味でまったく同じものだ。そして、その声が大きくなれば政治を動かすことができると、香港市民たちは示してくれた。
今度はわたしたちの番だろう。奇しくも本日、日比谷〜銀座で「年金返せデモ」がおこなわれる(13時45分に日比谷公園中幸門集合、14時出発)。ほんとうの民主主義をこの国に根づかせるために、民主主義を取り戻すために、日本も香港につづきたい。
(編集部)
最終更新:2019.06.16 01:24