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日本推理作家協会賞の贈呈式でも幻冬舎批判!「実売部数公表の謝罪」だけでは済まない幻冬舎と見城徹の問題点

 しかも、もうひとつ気になることがある。それは、『日本国紀』に編集者として参加している安倍応援団の有本香氏が、津原氏に対しておこなったツイートだ。

 2018年の末頃から、有本氏と津原氏は『日本国紀』をめぐって応酬を繰り広げていた。ところが、年明けになって、有本氏がいきなり津原氏に対してこんなリプライをとばしたのだ。

〈文庫でしたかしら、近々、幻冬舎から出るという先生の新作。楽しみにしていますが、発売はいつですか?〉

 有本氏がこのリプを飛ばしたのは2019年1月14日。津原氏が担当編集者から文庫本出版中止の通達を受けてからわずか1週間足らずのことだ。津原氏は12月、有本氏との応酬のなかで、現在、文庫化作業が進行中であることを明かしていたが、なぜそれから1カ月たって、突然、文庫本のことを持ち出し、「発売はいつですか?」などと聞いたのか。

 5月、津原氏の文庫本出版中止が公になったあと、百田氏は朝日新聞のインタビューで「騒動については僕も実際のところは知りませんけど、幻冬舎の担当者が困って『ちょっと批判を抑えてくれないか』と言ったところ、津原さんは『その気はない』と。担当者が『そりゃ困る』となると、津原さんの方から『それならもう出さない』というようになったと聞いていますけどね」と答えている。有本氏は、津原氏が執拗だったせいだなどと開き直って攻撃を続けていた。

 いずれにしても、実売部数晒しがクローズアップされる一方で、文庫本出版中止という今回の騒動の最大の問題点は、その経緯がまったく検証されていない。出版の生命線である言論の自由を守るためにも、幻冬舎内でいったい何が起きたのか、きちんと検証する必要があるだろう。

最終更新:2019.05.28 11:54

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