小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

経産官僚の覚醒剤事件でワイドショーがピエール瀧報道と大違い! 安倍政権下で経産省が“上級国民”に

 いったい今回の大甘な報道姿勢の原因はなんなのか。一つはやはり、逮捕された容疑者がキャリア官僚、しかも経産省の職員だったことだろう。

 経産省といえば、先月、前身の通産省OBで工業技術院のトップを務めた87歳の元幹部官僚の運転する車が池袋で暴走、31歳の母親と3歳の娘をはねて死亡させる重大事故を起こした。しかし、このOBは逮捕されず、一部マスコミでは「さん」付けで報道されたことから、ネットでは「上級国民は特別扱いか」という批判が殺到した。

 もっとも高齢者の場合は、人身事故を起こしても逮捕されないケースはあり、その場合、マスコミも「〜容疑者」とは形容しないため、池袋の暴走事故の報道が本当に「経産省OB」ゆえの「特別扱い」だったかどうかははっきりしない。

 しかし、今回のケースは明らかに不自然であり、理由は経産省だからとしか考えられない。

 経産省は総務省とは違い、テレビ局の直接的な許認可権を握っているわけではないが、電力会社や自動車業界はじめ、テレビ局の大スポンサーの監督官庁でもある。

 以前、奥田碩トヨタ自動車相談役(当時)が自ら座長を務める厚労行政改革の政府懇談会で、マスコミの厚労省批判に対して「何か報復でもしてやろうか」「スポンサーにならないとかね」と、自社の広告引き上げを示唆して恫喝したことがあった。このとき、テレビや新聞が奥田氏を批判するどころか、震え上がって沈黙してしまったのは有名な話だが、マスコミ幹部の間には、経産省についても同様の恐怖がある。

 経産省を怒らせたら、スポンサー企業に手を回され、広告引き上げなどの報復を受けかねない−−−−。現実に起こるかどうかは別して、そんな忖度が経産省批判を及び腰にさせている。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。