嘘だと思うなら、一度書店かコンビニで女性ファッション誌の棚の前に立ってみればいい。韓国コスメにK-POP、韓国旅行などを特集している雑誌をすぐに見つけることができるだろう。なかには表紙に「韓国っぽ」という流行のフレーズ(「韓国っぽくてかわいい、かっこいい」という意味)が踊っている雑誌もある。
たとえば、今月で言えば、ファッション誌「Ray」(主婦の友社/2019年5月号)。表紙には、韓国の女性アイドルグループ・Red Velvetがフィーチャーされ、「「きれい」を磨く〈美容天国〉へようこそ! 韓国には可愛い❤がつまってる」というキャッチコピー。ページを開くと、韓国でのコスメやメイクのトレンドについてはもちろん、「超可愛い」といった意味の「チョルギ」や、「みんなの注目を集めるイケてる人」を意味する「インサ」といった韓国で流行りの若者言葉が普通にハングル表記付きで使われている。
各種調査でも韓国はダントツの人気だ。『あさイチ』が学生を対象にした「はやっているもの」アンケートで1位が「TikTok」、2位が「韓国」だったことを紹介していたが、ほかの10代の調査では、K-POPや韓国コスメが1位になっているケースも珍しくない。
韓国旅行も急増している。2018年に韓国を訪れた10代の日本人は2015年に比べると、254%も増えている。リトルコリア新大久保も10代の若者にとって原宿以上の人気スポットになっており、修学旅行のコースにも組み込まれているほどだ。
こうした現象が起きているにもかかわらず、「嘘」「でっちあげ」といちゃもんをつけるとは、頭の悪さにもほどがあるだろう。
ただ、こうした若者の韓国人気を知らないのは、韓国のポジティブな話は一切なかったことにしてしまうネトウヨのみなさんだけではない。『あさイチ』でも、キャスターの博多大吉が「外交はちょっとモメてるじゃないですか。僕らは韓国ってそんなに流行ってるのかなと思いますけど」と言っていたが、ネトウヨじゃない普通の人でも大人はほとんど知らないのだ。
いったいなぜか。それは、テレビが韓国カルチャーを一切取り上げなくなってしまったからだ。