今回の暴行事件では、山口が8日夜にネット上で告発した際も、スポーツ紙は9日夕方ごろまで一切報じなかった。ようやく報じ始めたと思ったら運営の釈明に丸乗りし「メンバーの関与はない」と火消しに協力。ようやく報じ始めたと思ったら運営の釈明に丸乗りし「メンバーの関与はない」と火消しに協力。そればかりか、山口が公演で謝罪をした際には、どうみても山口は痩せこけており、謝罪のときも虚ろな目で頭を下げたが、日刊スポーツは〈騒動をものともしないクールな表情〉と伝える始末だった。
だが、こうしたスポーツ紙の報道の裏側では、こんなことが起こっていたらしい。「デイリー新潮」によると、“NGTの関係者などは芸能メディアに『山口には少し精神的な問題がある』と、あたかも狂言であるかのように匂わせるなどしていた”というのである。
ようするに、少なくとも最高責任者である秋元氏は、暴行事件について知りながら真摯な対応を実行しない運営を放置し、さらに一部の関係者は、むしろ被害者の山口に問題を転嫁しようとしていたのだ。
たしかに、これまでもグループに深刻な事件や問題が起こり、そのたびに運営の無責任体質や隠蔽体質が指摘されてきても、運営は真摯に向き合って解決策を探ろうとはしなかった。そして、秋元氏はそれらを“黙認・是認”してきた。
現に、2005年から運営に関わり、2007年から2010年にかけてはメンバーが所属していた芸能事務所office48の取締役を務めたN氏が、控え室やトイレなどを盗撮し、それらの動画を大量に保管していたと2015年に「週刊文春」(文藝春秋)が報道。彼はoffice48退社後に小学生に対するわいせつ行為で懲役1年4カ月の実刑判決を受けており、その捜査のなかで問題の動画ファイルが明るみになったが、なぜかAKBメンバーに対する盗撮は事件化されず、女児へのわいせつのみが立件されるという不可解な動きもみられた。この件に関して、AKS側は「週刊文春」の取材に、「事実関係を確認できていない」の一点張りで、結局、後追い報道もなかったために有耶無耶に。もちろん、秋元氏は報道を完全無視した。
また、2014年にAKB48の握手会で発生した襲撃事件では、「握手会」というイベントのあり方自体に批判的な声が多くあがったが、その根源的な問題には向き合おうとせず、わずか2カ月半の休止期間を経ただけで再開。このときも秋元氏は沈黙をつづけ、握手会再開が発表される前日に読売新聞の連載で、「傷ついた彼女たちは立ち上がり、前に進んだ」と初コメント、卑劣にも事件を美談にすりかえてみせた。