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ビートたけしが年末特番で差別用語を使った酷いLGBT差別を連発! これでなぜ問題にならないのか

 まったく呆れるほかはない。杉田水脈衆院議員の「LGBTには生産性がない」発言が問題になったのも記憶に新しいし、お笑い界においても2017年に、とんねるずの番組で「保毛尾田保毛男」というゲイを揶揄したキャラクターを復活登場させ大炎上。フジテレビが謝罪文を出すという事態も起きた。

 そのときも「まさか2017年にもなってテレビで『ホモ』という言葉を耳にすることがあるとは……」という声も上がっていた。しかし、今回のたけしの一連の発言の悪質性は、「保毛尾田保毛男」問題以上だろう。

「保毛尾田保毛男」問題はLGBTに対する偏見が今以上に強く差別に対する問題意識も低かった30 年ほど前に流行したキャラクターを、そのまま無自覚に現代のテレビに登場させてしまったことから起きた問題だったが、今回のたけしは確信犯だった可能性が高い。「ゲイ」や「LGBT」などではなく、差別語「ホモ」で通したのもわざとだろう。

 たけし自身も「保毛尾田保毛男」問題のとき、「もうちょっと、笑うような寛容さがほしいけどな」と発言していたし、今回の『チマタの噺SP』のなかでも、昨今のコンプライアンスについて疑問を呈する場面があった。

「昔はだけどスポンサーの悪口言ったって平気だったけどね」
「なんかもう、うるさいんだよ一言一言が」

 現在のテレビがスポンサーへの配慮や政権・公権力への忖度が過剰なのは事実でそれは大問題だが、この日たけしが“コンプライアンスを突破して”やってみせたことは、スポンサーや政権といった強者に対する悪口や批判ではなく、性的マイノリティを嘲笑し差別しただけだ(実際、番組中に街の声として、安倍批判を口にする男性が登場したが、たけしはこの話題をスルーし、ホームレスの悪口を始める始末だった)。

 こんな紛れもない差別発言を垂れ流したテレビ東京もテレビ東京だ。しかも、羽生選手について「こいつホモだろう」と言っている場面などは、番組冒頭やCM前後などでジングルのように何度も使い番組の目玉扱いすらしていた。番組冒頭に「これってコンプライアンス的に怒られないのかなあ」というナレーションを入れていたが、テレ東は“タブーを破るチャレンジングな企画”くらいに考えているのだろうか。

 こういうまぎれもない差別発言を「攻めてる」「奔放」「毒舌」などと思っているのなら、勘違いも甚だしい。

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