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またまた敗訴、百田尚樹が『殉愛』裁判で自ら露呈した嘘と醜態! こんなフェイク作家が『日本国紀』を書いた

『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館)の著者で、検証本『百田尚樹『殉愛』の真実』の執筆者のひとりでもあるジャーナリスト・角岡伸彦氏が自身のブログで『殉愛』をめぐる裁判のレポートを連載。2018年1月に開かれたK氏が百田氏を訴えた裁判の口頭弁論で、百田氏自身が“取材のずさんさ”や“嘘”を露呈させてしまったことを詳しく紹介している。

 たとえば、『殉愛』執筆にあたって、百田氏サイドはさくら夫人の看病日記を執筆の「資料」として用いたと主張し、自らの取材ノートとともに、証拠として提出した。ところが、百田氏は被告側、つまり自分の側の弁護士による主尋問で、そのさくら夫人の看病日記は原本でなく、「(原本の)コピーをとるにしても、非常にびっちり書いてて、間に入るもんはない」「たかじんさんの生活に絞ったものを改めて書いていただけないかと。それをもとに私が質問していきたいということで、いくつか彼女にまとめてもらったものがあります」と述べたのだという。

 つまり、こんな重要な資料さえ、百田氏は原本を自ら直接精査するのではなく、さくら夫人にまとめ直させていたというわけだ。さくら夫人とK氏は対立関係にあるから、後になって日記を再編集させたら、自分に都合のいいストーリーに沿って恣意的に書き換える可能性もある。にもかかわらず、百田氏はそんな一方的な“加工資料”をつくらせたことを自慢げに明かすとは、もはや理解不能だが、原告側弁護士の反対尋問では、さらにずさんな実態が明らかになった。

『殉愛』では、たかじん氏が手術後に集中治療室に入る際、看護師長から「ICUに入るのは奥様だけにしてください」と言われたK氏が「この女は奥さんでも何でもない。最近、出会っただけや」「こんな女よりもずっとたかじんを思ってるんや!」と激昂。さらに「やめてください」というさくら夫人に対して「お前みたいなどこの馬の骨ともわからん女に指図されたくない」と暴言を吐く場面が出てくる。

 ところが、「こんな女よりもずっとたかじんを思ってるんや!」というセリフは、百田氏の取材ノートにも、さくら夫人がまとめ直した看病日記にも、一切載っていなかった。

 また、「お前みたいなどこの馬の骨ともわからん女に指図されたくない!」というセリフも、さくら夫人がまとめたメモに「お前なんかに指図されたない」とあるだけ。「どこの馬の骨ともわからん女に」という表現は、記録のないまま百田氏が付け加えていたものだったのだ。

 他のセリフも、さくら夫人の看病日記にあるだけ。百田氏の取材ノートにはその場にいた看護師長らの聞き取りメモもあったが、そこにはこれらのセリフはまったく載っていなかった。

 そして、原告側弁護士の反対尋問でこうしたセリフが聞き取りメモにないことを追及された百田氏は、法廷で「ないですね」というセリフを繰り返し続けるしかなかったのである。

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