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TDLがパワハラ訴訟起こした女性キャストに「情報管理」口実の口止め要求! ディズニーの秘密主義がいじめを生む

 この異常な要求に弁護団は「本来であれば、口頭弁論で行われた意見陳述の内容をみなさんに広く配布することも考えていた」が、「会社側のこれまでの姿勢を見ていると、それが新たな紛争になりかねない」という恐れもあり、「慎重に検討している」「原告も非常に悩んでいる」と明かした。このため意見陳述の配布はされず、会見でも原告の2人はおびえるように言葉を選びながら、時には涙ながらに、最小限の事実関係しか明らかにしなかった。

 たとえばBさんはパレードの出演中に首を痛め労災認定されているが、この口止め要求のため、“どのキャラクターで、どのシチュエーションで”ということは明かすことができないとした。

 しかも、ディズニー側からのこうした口止め要求・秘密体質はこれが初めてではない。Aさんが体を壊し医師の診療を受ける際も「(TDLの)守秘義務があるとして医師に業務内容を話すことも当初は止められていました」と明かしている。また「出演者という業務があることを外に出し、人々の夢を壊した」として「現場に戻ることは難しい」とされているという。

「着ぐるみじゃない」「中の人はいない」「ミッキーはひとりしかいない」などという“ディズニータブー”はよく知られた話だが、労働者の健康や生命に関わる場面でも“ディズニーの夢”とやらを優先させろというのだ。「訴訟での主張に制限を求めるものではない」と言ってはいるが、これでは法律よりディズニールールのほうが優先されると言っているようなもの。“夢の国”は治外法権とでも考えているのだろうか。典型的なブラック企業の思考である。

ディズニーの秘密主義は、ディズニーの夢を維持するためという大義名分のもとに社会的に批判がなされずにきたが、この秘密主義がいじめやパワハラ、過重労働などを生む温床・隠れ蓑となっているのは明らかだろう。

オペレーションの多くをアルバイトなど臨時雇用者が行っているディズニーリゾートは、大きな権限を与えられた準社員のリーダーのもと、強固なヒエラルキーのなかで働かざるを得ない。このため、いじめやパワハラも多く、バックステージでは、先輩キャスト、ゲストの悪口を仲間と言い合っている。こうしたストレスフルな実情が、記者のこれまでの取材でも明らかになっている。

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