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BTS問題のヘイト的本質とファンダムの新しい力(後編)

BTSファン「ARMY」がスゴイ! ネトウヨの差別攻撃にもメディアの嫌韓にも負けず、国境を超える連帯と勇気

 また、韓国のファンによる〈日本のarmyの皆さん、最近の日韓関係には摩擦があるのにも関わらず、少年たち(BTS)に愛を示していただきありがとうございます〉(編集部訳。原文は英語)というツイートもみることができたし、日本語でこのようにツイートしている人たちもいた。

〈日本語ができないので翻訳機を使います。すまないと思わないでください。 J-armyの過ちではありません。少年たちを一緒に大切にしてくれる人じゃないですか。心を慰めて,今は安らかな寝床に入ったことをお祈りします。ありがとう〉
〈こんにちは。韓国のarmyです。韓国は日本の行動に腹が立ちました。でも,私は韓国を理解しようとするarmyを愛しています。韓国を理解してくださって,ありがとうございました〉
〈外国ARMY代表として一言。
今までの問題のせいで全世界のARMY達が不安になってしまったが、
イルアミの皆さんを責めたりするツイートを見たので、イルアミさん達に謝りたいと思います
バンタンのことを愛してくれてありがとうございます
そして、ご苦労様でした。
#BTSの日本活動を永遠に応援します〉
(編集部注:「イルアミ」とは「日本のARMY」の略語で、「バンタン」はBTSのことを指す)。

 日韓だけではない。BTSは世界中にファンのコミュニティがあり、そういった多くの国のファンからも、バッシングと闘っている日韓のARMYを励ます声が届いている。その励ましに対して、ある日本のファンはこのようにツイートして感謝を示していた。

〈心痛い中、バンタンで検索すると色んな国のarmyがjarmy頑張れって言ってくれて、“世界のarmyは一つ”て日本語でハッシュタグつけてくれてて嬉しくてまた涙。ほんとarmyでよかった。BTSだからこそ国境越えてこんな素敵なファンで溢れてるんだよ。
#BTS
#バンタン
#世界のARMYは一つ〉

 日韓関係が悪化し嫌韓感情が極まっているなか、このように若者たちが草の根で友情を育んでいる姿は数少ない「希望」だ。本サイトは9日の記事で、「K-POPは人々の分断を煽る道具ではない」「ポップミュージックなどの文化を通して交流することは、国際親善のきっかけのひとつとして大きく機能するもの」と書いたが、まさにそれが現実となっている。

 ネトウヨたちは、ARMYたちにも心ない言葉を投げつけ、映画やCMにも電話攻撃、ライブ会場などでの抗議行動も始めた。そうした差別主義者たちの卑劣な行為を批判してくれるメディアも皆無だ。そんな状況のもと、恐怖や不安を感じているARMYは少なくないだろう。

 しかし、それでも屈することなく声を上げ、国を超えて連帯するARMYを見ていると、「原爆少年団は日本に来るな」「韓国とは国交断絶」などとわめき散らすネトウヨが幅を利かす時代はきっと終わる、そんな一縷の希望を抱かずにはいられないのだ。

最終更新:2018.11.14 12:11

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