辺野古移設・新基地建設の是非が知事選の争点となる米軍普天間基地(宜野湾市ホームページより)
9月13日に告示を迎える沖縄県知事選挙。翁長雄志前知事から“後継者”と指名された玉城デニー・自由党幹事長と、自民、公明、維新などが推薦する佐喜真淳・前宜野湾市長の事実上の一騎打ちの構図となるが、言うまでもなく、最大の争点は辺野古新基地建設だ。反対を明確に掲げる玉城氏に対し、いまだに是非を明言せず姑息な“争点隠し”をしようとする佐喜真氏だが、ここにきて、その地金がどんどん出てきている。
たとえば、今月5日に行われた公開討論会で佐喜真氏は、辺野古新基地について「われわれには限界がある」とポロリ。公約には辺野古問題に触れないまま、知事になれば一気に安倍政権と手を握って新基地建設へ舵を切るということだろう。
そもそも、この討論会は、いまや“自民党の子飼いクラブ”といわれる日本青年会議所(JC)の主催だが、かたや佐喜真氏はマスコミ各社が主催する討論会や討論番組には一切応じていない。まるで、石破茂元幹事長との討論から逃げ続けている安倍首相を彷彿とさせるが、これだけとってみても、佐喜真氏がまともに有権者のことを考えていないことは明々白々だ。
だが、そんなJC主催公開討論会のなかでも愕然としたのが、女性政策を巡って佐喜真氏が「女性のパワーというか能力は年々あがってきている」「まずは女性の質の向上への環境を作っていく」などと発言したことだ。女性は男性よりも「能力」や「質」で劣っていると言わんばかり佐喜真氏の発言は、明らかな女性蔑視に基づく差別に他ならない。
本サイトが先日の記事で紹介したように、そもそも佐喜真氏は、2012年の宜野湾市長選に立候補した時点で、沖縄県議としては唯一「日本会議」のメンバーとして同会のHPでも紹介されるなど極右思想の持ち主。宜野湾市長時代にも、教育勅語を唱和するような日本会議系のイベントに出席し、さらには沖縄へのヘイトスピーチを繰り出すネトウヨ・極右団体のイベントに参加しようとしていたことも判明している。
その意味では、JCの討論会で口をついて出た女性差別発言も、佐喜真氏のヘイトと入り混じった極右思想がダダ漏れになったというべきだが、さらにここにきて、佐喜真氏の選対に“沖縄ヘイト”を垂れ流してきたジャーナリストが加わっているのではないかという疑惑まで浮上した。
9月3日に行われた佐喜真氏の政策発表会。佐喜真氏の後ろに座り、記者の質問をメモしながら佐喜真氏にしきりにペーパーを見せている人物がいた。この人物が、これまで「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)などで、翁長バッシングや反基地運動への偏見を植え付けるような記事を手がけてきた元記者ではないかと話題になっているのだ。
この人物を仮にT記者としておこう。T記者はもともと、NHK記者などを経て「週刊文春」の契約記者に転身。本サイトでも取り上げてきた「文春」の“沖縄バッシング”記事の多くに関わってきたとされるが、そのT氏が2016年、別名でライバル誌である「週刊新潮」にこっそり寄稿。これが文春側にバレて契約解除となり、以降はフリーとして活動していた(詳細は過去記事参照https://lite-ra.com/2016/06/post-2323.html)。
「文春」をクビになった一件も、ライバル誌への寄稿がバレたというトホホさもさることながら、その寄稿内容がひどい代物だった。