その頭の悪さには呆れ返るしかないが、しかし、こうした発想をもっているのは彼らだけではない。安倍政権じたいがいま、映画のプロパガンダ化を推し進めようとしている。
そのひとつが、明治維新150周年を記念した支援事業だ。昨年1月、1868年の明治維新から150年の節目となる2018年に実施する記念事業として、明治期の国づくりなどを題材とした映画やテレビ番組の制作を政府が支援することを検討していると報道された。菅義偉官房長官はこれに関し、「大きな節目で、明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは重要だ」とコメントしている。
ようするに、安倍政権は愛国心植え付けと歴史修正主義正当化のために、明治を前面に打ち出した国策映画を作らせようとしているのだ。
そして、是枝監督が文科省の顕彰を辞退したのも、こうしたプロジェクトに代表される国益や国策と映画の一体化に対する危機感が最大の理由だった。
しかし、ネットの反応を見ていると、是枝監督の危機感が理解されているとは言い難い。それどころか、伊藤氏や田端氏のような頭の悪い暴論が一定の支持を集めている有様だ。
このままいくと、安倍政権が旗をふる「極右プロパガンダ映画」が世界中に発信されるという恥ずかしい事態が現実になる可能性はかなり高いと言っていいだろう。
(編集部)
最終更新:2018.06.12 11:32