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NHKが森友報道を牽引してきた記者を報道から外す安倍政権忖度人事! メディア研究者・NHK元経営委員らが抗議

 また、同じ参院総務委員会では、TBS出身の民進党(当時、現在は立憲民主党)・杉尾秀哉議員が、ある時期から「報道局長が森友問題で映像やニュースの扱い方などを細かく指示をするようになった」という情報を得たとして、「NHKのニュースセンターのなかで、Jアラートならぬ『Kアラート』というふうに呼ばれているそうです」と述べた。杉尾議員も指摘しているが、「K」というのは小池英夫報道局長のイニシャルからとられたとみられている。

 実際、A記者が手がけた財務省理財局が森友側に「口裏合わせ」を求めていたというスクープは、4月4日の『ニュース7』で報じられたものだが、このときもトップニュースではなく、なんと6番手の扱いだった。メジャーリーグ大谷翔平の初ホームランや、東京で初夏日観測という話題よりも後ろだ。時間を計ってみると、おおよそ2分45秒。「3分半以内」に収められていた。

 また、しんぶん赤旗が4月30日付で、朝日新聞が森友文書改ざん問題をスクープした3月2日から佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が行われた27日までの『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』およびテレビ朝日の『報道ステーション』、TBSの『NEWS23』の森友報道を比較検証している。

 周知の通り、3月12日に公開された財務省の改ざん前文書には、昭恵夫人の影響を示す記述が複数存在したが、赤旗によれば、昭恵夫人と籠池夫妻が学園建設予定地前で撮影した写真や昭恵夫人が学園を訪問した際の映像を複数回使用した『報ステ』(写真2回、映像4回)、『23』(写真7回、映像8回)に対し、NHKの『NW9』では3月12日の放送でイメージ映像を数秒流したのみで、それ以外には学園と関連する写真や映像、交渉を録音した音声も一切使わなかったという。

 それらの“事実”を鑑みても、今回、NHKが森友問題のスクープ記者を、あえて取材や報道ができない部署に飛ばしたというのは、やはり、そこには政権の顔色を伺った上層部の“政治的配慮”が関係していると考えるのが妥当だろう。

 いずれにせよ、こんな人事がまかり通ってしまえば、今後、政権に都合の悪いスクープは闇に葬り去られることになりかねない。当然、私たちの「知る権利」もどんどん潰されていく。他のマスコミも見て見ぬ振りをしている場合ではないだろう。このNHK人事の背景を、全メディアが徹底的に追及するべきだ。

最終更新:2018.06.02 11:31

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