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ゆず「ガイコクジンノトモダチ」はやっぱり「愛国心扇動ソング」だ! 中立を装うもネトウヨ的被害妄想と靖国美化

 2番も同じだ。こちらは〈外国人の友達が祈ってくれました/「もう二度とあんな戦いを共にしないように」と〉というセリフから、〈TVじゃ深刻そうに右だの左だのって/だけど 君と見た靖国の桜はキレイでした〉と唐突に靖国神社をもちだし、再びサビで、今度は国家の代わりに国旗を持ち出し、〈国旗はタンスの奥にしまいましょう/平和な日本 チャチャチャ/美しい日本 チャチャチャ〉としめる。

 たしかにこれ、どう読んでも愛国心扇動ソングだろう。しかも、そのロジックは、現実には“愛国心が強制される”状況が進行しているのに、“愛国心が抑圧されている”と被害妄想をわめきたてるネトウヨとそっくりだ。

 ところが、ネット上では“ゆずは別に右でも左でもない、国を愛する素朴な気持ちの行き場のなさを歌っただけ”“歌詞は中立的、なぜ叩かれなければいけないのか”“靖国だの国歌だのという単語が出てきただけで左翼は発狂し過ぎ”といった内容の擁護論、愛国ソング批判への反論が溢れかえっている。

 たしかに、北川は歌詞で〈右だの左だの〉と書いてイデオロギーを超えたような体をとっている。サウンドもアコースティックギターの弾き語りを中心にすえた、ゆずのイメージど真ん中の優しい曲調だ。

 しかし、実際のメッセージはまったく逆だ。〈右だの左だの〉関係ないと言いながら、国を愛することを絶対的真理のように描き、国民の命を国家に捧げさせるために作られた靖国神社をまるでイデオロギーと無関係な「不戦の誓い」の場所のように登場させる。イデオロギーを隠しながら、素朴で善意のあるファンを「思いっきり右」の価値観に誘導していく構造になっているのだ。

 しかも、そこには“愛国心を表現することが抑圧されている”というような完全に間違った前提、ネトウヨ的知識がすりこまれていく。

 そういう意味では、つるの剛士の手法に似ていて、むしろ、露骨に右派思想を煽る百田尚樹や櫻井よしこらよりも、タチが悪いとも言えるだろう。

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