すべて当たり前の主張だが、しかし、“安倍サマのNHK”といわれる状況下でここまできちんと米軍基地に苦しむ沖縄の人たちの声を取り上げ、基地問題の本質に踏み込むコメントをするというのは、相当に勇気が必要だろう。
しかも、これは降板が決まったから、最後っ屁としてやったというような話ではない。『あさイチ』では、前述したようにこれまで、原発や戦争などともに何度も沖縄米軍基地問題を取り上げ、一貫して「沖縄の痛みを共有すべき」という姿勢をつらぬいてきた。
ただ、一方でこうした姿勢がNHK上層部の反感を買い、今回のMC交代という事態に発展した可能性は高い。NHK内部では、今回の二人の降板について、まず、有働アナが異動を命じられ、有働さんが降りるなら、と井ノ原も降板を申し出たという情報が流れている。
実際、この28日の放送では、井ノ原、柳澤と対照的に、有働は一言も自分の意見を口にしなかった。これはいったい何を意味しているのだろう。
井ノ原・有働の後任はお笑いコンビの博多華丸・大吉と、近江友里恵アナが就任するが、『あさイチ』という番組がこれまでつらぬいてきた姿勢を今後も続けていける可能性は残念ながら、極めて低いと言わざるを得ない。
(編集部)
最終更新:2018.03.30 06:04