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最上もがの年齢公表を機に女性アイドルの年齢差別問題を考える…20代半ばで「ババア」「卒業強制」はおかしい

 ただ、こういった感覚はアイドルやアイドルファンといった存在のみならず、広く世間に膾炙してしまっているものでもある。

 たとえば、明石家さんまは、昨年12月18日放送の『明石家紅白!』(NHK総合)のゲストに乃木坂46を招いた際、白石麻衣が25歳になることを知って「え! 君、もう25!? ウソや!」と発言。あまりの驚きように、口を両手で覆い「25なんですよ。どうしよう」と困惑する白石に対し、さんまは「笑ってしもうてごめん。62歳が笑ってごめんね。乃木坂って、25歳の人いてんの!? ものすごい若いイメージや、オレの頭のなか」とも発言していた。

 同じく、土田晃之は昨年放送の『芸能義塾大学』(AbemaTV)に出演した際、「アイドルの限界は25歳」説を提唱。SUPER☆GiRLS、9nine、X21、吉川友といった現役アイドルたちを相手に、なるべく早いうちにアイドルの次のキャリアを模索することをすすめ、このように講義している。

「アイドルファンは基本的にはロリコンですから。もちろん、そうじゃない方もいらっしゃると思いますけれども。逆にですよ、40(歳)になってユニット組んでやってる女性グループ、誰か言ってみてくださいよ。5、6組言えます? 言えないでしょ?」
「AKB48っていうグループを見てても、僕が見て個人名がわかる人たちって、卒業するでしょ? それこそ、モーニング娘。姉さんたち。僕らが見てた、僕が知っているモーニング娘。姉さん、もう一人もいないですよ。中澤裕子さん踊ってます? いないでしょ?」

 こういう芸人の“年齢”いじりが成立すること自体が日本の芸能界のセクハラ容認体質を表していると思うが、たしかに、日本の女性アイドルには、20代半ばをすぎると、アイドルグループを卒業せざるを得ない、という傾向があるのは事実だ。

 このような傾向は、かつて、日本の男性アイドルグループも同様だった。しかし、SMAPがブレイクして以降、その構図は大きく変わる。男性アイドルは年を重ねてもアイドルでい続けることが可能になった。その状況は現在でも変わっていない。

 たとえば、嵐や関ジャニ∞は全員が30代だし、比較的若手扱いをされるKis-My-Ft2ですら、最年長の北山宏光は32歳、最年少の千賀健永でも26歳だ。ジャニーズが1967年に解散したとき、メンバー全員が20歳前後だったことを考えると、状況がいかに変わったかよくわかる。

 しかし、女性アイドルについてはいまなお、20代 半ばを超えると、「卒業は当然」という空気になって、本人が希望してもアイドルを続けることが不可能になるというのが現実だ。これは明らかにおかしいのではないか。

 いや、アイドルが続けられないだけではない。議論を発展させると、これまで述べてきたような日本の女性アイドル界に特有の「年齢」問題は、グループから離れた後のキャリアにも影を落としている。

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