もっとも、「よく言うよ」とツッコミたくなるのは、田崎氏も同様だ。いや、繰り返すが、党所属か会派所属かを知らなかったことを責めようというのではない。
田崎氏がひどいと思うのは、和田議員が太田理財局長にトンデモ質問をした前日の19日、『ひるおび!』で、和田センセイとまったく同じことを口にしていたからだ。
「太田さんのことについてあまり知られていないのでちょっと申し上げておくと、太田さんは野田佳彦内閣で総理大臣秘書官だった方で。当時の民主党議員とも非常に知り合いが多いんですよ」
和田センセイより頭のいい田崎氏はここで止めたが、唐突に「野田首相の元秘書官」なる話をわざわざ持ち出したのは、太田理財局長が民主党系の野党と繋がっているという印象を与え、和田議員のように「安倍政権を貶めるために意図的に変な答弁をしているのでは」と仄めかしたと考えていいだろう。
この話は、ほかの御用メディア関係者も口にしており、当初は官邸から御用ジャーナリストやメディアにこのストーリーを使え、という“指令”があった可能性もある。和田センセイも勝手に暴走したわけではなく、官邸の指示のもとあんな質問をしたのかもしれない(増税派、アベノミクス云々は明らかに和田センセイの暴走だったが)。
ところが、和田センセイが国会でこのトンデモを口にしてひとり炎上すると、ほかの応援団のみなさんは一斉にトンズラ。スシロー氏にいたっては、自分も同じく「太田理財局長はもともと野田総理の秘書官」と口にしていたのに、完全になかったことにして、あろうことか、「和田さんの質問はやっぱりあまりに酷いですよね」とほかの出演者といっしょになって和田議員をディスったのだった。
和田センセイが、ここまで田崎氏にキレたのは、もしかすると「裏切りやがって」という気持ちもあったのかもしれない。