実際、指原がオヤジ側の立場に立ち女性を非難するような発言をするのは、今回が初めてのことではない。
たとえば、HISによる「東大美女図鑑の学生たちが 、あなたの隣に座って現地まで楽しくフライトしてくれる!」というキャンペーンがセクハラだと批判を受け、企画が中止された一件を『ワイドナショー』が取り上げた際も、そうだった。
HISの企画は女子大生を接待要員として扱っておりセクハラとの批判は当然のものだったが、このときも指原は、
「それよりも、それに乗っかった一般の学生さんが気持ち悪いなって」
「私はセクハラとは思わないし、女性差別? なんて言うんだろう、そういうのは思わないんですけど、ただただチヤホヤされたいんじゃないのかなと思って、その女子大生が気持ち悪いって思っただけです」
などと、企画そのものよりも、企画に参加しようとした女子大生のほうを非難した。
また、指原がアンチファンからネット上で“ゲロブス”と呼ばれていることを知ったプロデューサーの秋元康が、驚くことにこのあまりに酷い蔑称を大いに気に入り、「ゲロブスいいよ」「ゲロブスっていえば指原、っていうのを定着させたい」と言い出したことがある。しかし当の指原は、怒るどころか、著書『逆転力〜ピンチを待て〜』(講談社)のなかで、秋元氏に同調するかのような文章を綴っている。
〈おとなしい美人には意味がないって言いましたけど、親しみやすさのないブスって最悪だと思う〉
〈私の周りのみんなに「ブスって言わないでください!」と言ったとしたら、「ううん。別にいいけど、他に言うことないよ」と腫れ物扱いされかねないじゃないですか。でも「ブスでOKです!」と言っておけば、イジッてもらえるかもしれない。(中略)そうやって世の中に出てきたのが、指原という女です〉
先日、松本らとともに会食した安倍首相に対しても、そうだった。安倍首相が出演した『ワイドナショー』で松本から「子ども何人くらいつくろうとしてるの?」と問われた指原は、「産めれば産めるほど産みますよ。国に貢献したい」「身体の限界が来るまで産みます」「安倍さんの話を聞いて、私もちゃんと子どもを産んで、しっかりお母さんにならなきゃって思いました」と前のめりになって発言している。
その上、この指原の言葉に大満足な表情を浮かべていた安倍首相は、「かつ仕事もね」と念押し。女にあれこれ押し付ける前に産みやすくて働きやすい社会を先につくってよ!と多くの女性はツッコんだことだろうと思うが、指原は「はい、しっかり仕事もします」と即答した。
エラい男性には一切文句は言わず、ものわかりのいい女性としてふるまう。これが、オヤジ社会のなかで指原が身につけた処世術なのだろう。
だからセクハラに対しても、「わたしはイヤだと思ったことがない」「セクハラなんてない」と男性を擁護し、「そんなことで文句を言うほうがおかしい」と女性を糾弾する。