立憲民主党・辻元清美衆院議員と作家・室井佑月の熱血対談後編
“辻元おたく”ムロイが期待の大きさゆえにいろんな注文を出し「枝野さんは信用できるのか」問題まで語った前編。後編は一転して、頻繁に“フェイクニュース攻撃”を受けている辻元とネトウヨからディスられているムロイが、フェイク批判で意気投合! そして、フェイクやヘイトにどう対抗していくか、という話題から「リベラル」論議に。「理想論」「お花畑」「空想、平和ボケ」という批判を二人はどうとらえているのか。そして「リベラルの力」はこの閉塞した社会を本当に変えることができるのか! 後編では2人の熱き“リベラル論”をご堪能いただきたい。
●辻元が語る森友問題でのフェイク攻撃の裏、そしてつい最近も読売が…
室井 辻元さんといえば、フェイクニュースもすごいですよね。フェイクニュースの最大の犠牲者で宝庫(笑)。今年3月に森友学園問題でもフェイクニュースありましたよね。辻元さんが幼稚園に不法侵入したとか、小学校建設にスパイ作業員を送り込んだとか。大手のメディアが平気でやるんですから。
辻元 あの翌日、菅野完さんが(フェイクのもととなった)籠池諄子さんにインタビューして、侵入は実は見ていないし、思い込みのようなものだったと明らかにされたし、荻上チキさんのラジオ番組『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ)では当の作業員が出演して、「(わたしとは)まったく面識もない」と言っていました。だけどそういうのは拡散されないですよね。
室井 辻元さんのスパイといわれた作業員が「私は辻元清美が大嫌い」と言ったの大はウケしました(笑)。
辻元 (苦笑)
室井 話を戻して(笑)、11月4日付の読売新聞が、「立憲民主党は今後、自民党議員と会食することを見合わせる方針に決めた」と報じていましたよね。辻元さんが「自粛するように呼びかけた」と。でもこれももしかしてフェイク?
辻元 あれも完全に誤報です。いま国対委員長という立場で、民進党の各委員会責任者の会議があり、国対委員代理の山内康一さんが、「自民党から飲みのお誘いがあったら、まず野党と先に懇親をしてから今度の話し合いをちゃんと先にするのが良いんじゃないと。まず野党間の信頼関係を固めてからの、自民党ですよね」と言ったとき、わたしは隣にいてそうね、と。
室井 そうなの!? ひどいですね。その後も一部メディアで、度量が狭いとか、かなり批判的に書いていました。
辻元 意図して書いた人もいるかもしれないけど。そもそもわたしはそんなニュースが流れていることすら知らなくて。そうしたら自民党の大物から、「辻元もう誘えないの? 飲んじゃダメなの?」という電話がかかってきて、なんだろうと思ったぐらい(笑)。
室井 怖いですよね。最初にあのニュース見て、普通にショックを受けましたもん。辻元さんがそんな排他的なことを言うのかと。でも辻元さんやわたしが安倍親衛隊みたいなのになぜ狙われるかというと、やはり女性だということが理由のひとつだと思う。彼らは自分の今の生活が不満で、勇ましいことを言ってくれる安倍さんのような人が好きなんですよね。安倍さんだけじゃなく橋下徹さんや石原慎太郎さんとかもそう。その上で、韓国人や中国人、北朝鮮の人など、自分より下に見たい人を見つけて差別する。その中に、女性も入っているんだろうと思う。
辻元 執拗にフェイクニュースのようなものを作り上げてでも、貶めようとする。それって道理とかじゃない。それと同じで、いますごく心配しているのは、政治の世界でもそうした風潮になっていること。今の日本は、政治家だけではなく霞が関の官僚が国の実務をして支えている。その官僚たちがのびのびと働いて、おかしいことは「おかしい」と言える職場環境ならいいけれど、今は違う。森友学園や加計学園問題を見ていると、官僚の仕事は「総理を守るために黒のものでも白にしろ」ということじゃないかとさえ思うもの。そうした官僚は出世もする。それはさすがに道理が通らない。