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室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」 第8回ゲスト 辻元清美(後編)

室井佑月と立憲民主党・辻元清美が闘争宣言!「リベラルはお花畑なんかじゃない」「フェイクニュースに立ち向かえ」

自民党の「女の国対委員長なんてありえない」という空気を打ち破る

室井 安倍さんは内閣人事局を作って、官僚人事を牛耳っていますからね。森友学園問題で、黒いものを白いとした佐川宣寿前理財局長なんか典型例ですよね。国税庁長官に出世した。

辻元 一方、「黒だからおかしい」と言った元文科省事務次官の前川喜平さんは貶められた。こういうことが目の前で展開されると、官僚はすごく萎縮すると思う。みんなのびのびと仕事ができなくなる。嫌になってくる。それは、日本の危機だと思う。
 そういうことがないように、わたしたち野党はきちっとチェックしていこうとしているわけでしょう? それこそ愛国心だと思うんですけど(笑)。

室井 こっち側のやり方が正しすぎるんですよ。あっちのやり方は、自分のが都合が悪いと“偏向報道だ”とニュース番組名や新聞社名を出してメディアを叩く。そんなことをする総理大臣、今までこの国にいましたか? そうやって個別に名前を出されると、他は怖がって報道できなくなる。だからこっち側も、メディア対策をもっとやらなきゃいけないと思います。向こうが文化人を取り込んでひどいことをしているなら、こっちだって味方になってくれるジャーナリストや文化人を作ってかわいがればいいのに。

辻元 安保法案のときは、そういった連携がうまくできていたと思う。今回も立憲民主にはたくさんの文化人・知識人が期待をもってくれた。新しい市民との連携モデルを提案してくれる学者もいた。

室井 その流れを止めないためにも、もっとメディア戦略をがんばってほしい。

辻元 今のところ立憲民主は、ネットの戦略に力を入れています。ツイッターアカウント開設から2日で10万フォロワーを突破して自民党を抜いたりね。それも自然発生的に広がった。まだ、党を立ち上げて約1カ月しか経っていないけど、わたしたちがプラットフォームとなり、市民との間の回路を作るような仕組みを年内で発表できるところまで行ければいいなと、いま準備を進めているんです。

室井 立憲民主のいい情報はもちろん、リベラルの人たちが読むと楽しいニュースが集まる場所があればいいですよね。そうすれば今後、リベラルたちが集結しやすくなります。
 あっ、いいこと考えた! 自民党が新しい憲法案を出してきたでしょう。辻元さんが頭になって、それをもとに「女性目線で読み解く勉強会」をしたら面白そう。女性として、「家族が助け合うとかあるけど、それって女性の負担が多くなるってこと?」とか。「安保関連法に反対するママの会」や女社長などをどんどん連れてきて、自民党案のひどさを勉強するんです。

辻元 たしかにわたしの支持者は女性の方が多いの。普通の決起集会や会合は男性が多いけど、わたしのところはおばちゃんや子連れのお母さんが多い。だから、それの延長線上でやれたらいいですね。誰かしてくれないかな。
 今はね、とにかく国対委員長で国会運営をやり遂げたいんです。本当に他のことを準備する時間が全くなくて。こういう集まりのボランティアしてくれる人がいたら本当に助かります。
 わたしがなぜそんなに国対委員長の仕事に熱くなるのかというと、女性で、野党第一党の国対委員長を務めた人は誰一人いないからなんです。自民党は「女性の国対委員長は考えられない」と言うレベル。国会運営や駆け引きは、男性の世界なの。そこにわたしが入っていき、「だから女性にはできないよね」と言われたくない。だからこそ、しっかりとやりたい。とにかく今は、国対委員長の仕事をまずやりきって女性でもできる、という道をつくろう、と。

室井  わたしは、その仕事ぶりを自分の連載で「すごいすごい!」と書きます。女性で偉くなる人が、早く出てきてほしいですからね。ちなみに小池百合子さんは、一見“女性の偉い人”で、「おっさん政治の脱却を図る」なんてやっていますが、彼女自身が男の政治家とあそこの大きさを張り合っているようなスタンスの人ですからね。辻元さんには普通の女性でも政治に参加できるような目線でお願いしたい。

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