小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

マツコがLGBT発言を封印した真意とは? 過去には商売目的のLGBTフレンドリービジネスを一蹴したことも

テレビ朝日『マツコ&有吉 かりそめ天国』番組HPより


 今月16日に国連人権理事会の対日作業部会が日本の人権状況について218項目の勧告を盛り込んだ暫定報告書をまとめた。各国からは「報道の自由」に対する強い懸念の声が続出したことは既報でお伝えしたが、同時に、日本における性的少数者(LGBT)や障がい者に対する差別を是正する要求も暫定報告書には組み込まれた。

 LGBTという言葉の認知度はここ数年で高まった印象はあるが、かといってLGBTに対する差別や偏見があらためられているかと言えば、そんな状況にはない。最近では保毛尾田保毛男騒動が記憶に新しい。さらに、昨日には自民党の竹下亘総務会長が、天皇・皇后が開催する宮中晩餐会について「(国賓の)パートナーが同性だった場合、私は(出席に)反対だ。日本国の伝統には合わないと思う」などと発言した。

 これは同性愛者に認められた権利を無視した上に差別をおこなう、国際的に問題視される発言だろう。こうした発言は、残念ながら社会の無理解をも写し出していると言えよう。

 そうした現状のなかで、「日本で最も有名なLGBT」ともいえるあの人にも、意見を求める人が後を絶たないらしい。いまや芸能界のご意見番となった、マツコ・デラックスだ。

 先日22日に放送された『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)において、マツコは「いま、ほらLGBTブームだから、ものスゴい意見を聞かれるんだけど、絶対に答えないようにしている」と明かしたのだ。その理由は、こういうものだ。

「私みたいな人間は超特殊ですから、そのジャンルのなかでも。でも、何の因果かいまいちばん露出しちゃってるわけじゃない? 見る人が見たら、私の意見がスタンダードだって思ってしまう人も出てくるわけよ。だから極力、自分の私的な感情は、ほかは言うよ? でも、その分野だけは絶対に言わないようにしているのね。個人的な思いは」

 このマツコの意見に対し、ネット上では〈絶対物申したいことは沢山あるはずなのに。尊敬するわ〉〈マツコさんの思慮深さに心打たれた〉という声が多く寄せられたのだ。

 マツコに限らず社会的影響力の強い著名人が発信したことがスタンダードだと誤解され新たな偏見と差別につながるなどのリスクもたしかにある。だが、そうした人物が勇気をもって発信することでマイノリティに対する理解が進んだり、似た境遇の人が励まされるなど、大きな価値があるのもまた事実だ。もし誤解が生まれても、その誤解に対し批判が起き議論になることで、さらに深い理解につながることもあるだろう。マツコの今回の発言により、発信するマイノリティが批判されるようなことはあってはいけない。ただ、それには現在の自身の影響力はいま突出しすぎているとマツコは考えているのかもしれない。

 しかし、そんなマツコもじつは過去にLGBTについての取材に応じたことがある。そのひとつが、「週刊東洋経済」2012年7月14日号の特集「知られざる巨大市場 日本のLGBT」におけるインタビューだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。