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月9『民衆の敵』で篠原涼子が政治参加を呼びかけた演説が素晴らしい! でも、フジ上層部の圧力で放送延期に

 本物のステーキが食べたい! ステーキを食べる権利は誰にだってある! これって、要するに憲法25条の「すべて国民は健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」のことだ。
 
 生きる最低限の衣食住ではなくて、ほんの少しの贅沢。この演説に対し「働かないヤツには、ステーキ食べる権利、ねーよ」と批判する声もネットではあったし、たぶん生活保護受給者がステーキ食べたいと言ったら「贅沢だ」などとバッシングされるのかもしれない。

 家族が仲良しで、卵焼きをステーキと想像して食べることの豊かさももちろん、ある。だけど、ステーキくらい食べる権利は、誰にだってある。自分も、やっぱり本当は、本物のステーキが食べたい。現実を受け入れて、仕方ないとあきらめて、これでしあわせなんだと思い込むのは止めよう。「しあわせなフリはやめて、本当のしあわせになろう」と篠原涼子は呼びかけるのだ。

 この演説を通りがかりにたまたま聴いた、石田ゆり子演じる保育園のママ友・平田和美は、この篠原の演説に心動かされ、選挙活動を応援させてほしいと協力を申し出る。

 石田ゆり子は、新聞記者で政治部経験もあったのだが、産休から復帰後は、閑職にとばされてしまっていた。

「ヒドいけど、仕方ないの。いまの社会がそうなんだから、って納得しちゃってたの。でも、納得しちゃいけないんだよね。智子さんの演説きいて、そう思ったよ。『しあわせなフリは止めて、本当の本当にしあわせになりましょう』って」
「わたし家のなかとかめちゃくちゃなの、いまの仕事もやりがいのあるものじゃないし。でも、こんな世の中だからってあきらめて、しあわせなフリをしてたの。ねえ、智子さん、自分ががんばってもどうしようもないことって多いじゃない? それをなんとかするのが政治家だって思うの。だから、みんな期待してるのよ、あなたに」

 そうして、ママ友たちを中心に篠原を応援する輪はどんどん広がり、最初は「中卒で政治家なんかできるの」とバカにしていたママ友も協力するようになる。そして、最下位繰り上げながら当選し、見事市議会議員になる、というところで第1話は終わる。

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