6月に公開されるやいなや全米で社会現象となる記録的大ヒットを飛ばした映画『ワンダーウーマン』。興行収入は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を越え、ワーナー史上第3位の成績を打ち立てることがほぼ確実視されており、すでに続編の製作も決定している。『ワンダーウーマン』の大ヒットにより、監督を務めたパティ・ジェンキンスは、女性の映画監督としては史上最高の興行収入を記録した。
そんな話題作が来月25日にいよいよ日本でも公開されるのだが、それにあたっての宣伝が物議をかもしている。
『ワンダーウーマン』日本公開にあたっての「公式アンバサダー」に乃木坂46が就任し、書き下ろしのイメージソングを歌うことが決まっているのだが、そのタイトルが女性蔑視的であるとして映画ファンの怒りを買っているのだ。
問題となる曲タイトルは「女は一人じゃ眠れない」。来月9日に発売される乃木坂46の18枚目のシングル「逃げ水」のカップリングとして収録される予定の曲だ。
この「女は一人じゃ眠れない」という曲タイトルがアナウンスされた瞬間、ネット上にはこのような声が次々と投稿された。
〈絶対ワンダーウーマン一人で眠れるわ勘弁してよ強い女性が主人公の映画なんだってば!!!!〉
〈ごめん乃木坂嫌いじゃないけどワンダーウーマンのイメソンで女はひとりじゃ眠れないとか馬鹿にしてるんですかあ?ってかんじ〉
〈たしかにタイトルにボキャブラリーがまったくないな あえてこうした、にしてもセンスが無さ過ぎる〉
そして、ひときわ強い怒りを表明していたのが、かねてより『ワンダーウーマン』を評価してきた映画評論家の町山智浩氏だ。町山氏はツイッターにこのような文章を投稿。『ワンダーウーマン』の日本版イメージソングに「女は一人じゃ眠れない」というタイトルの曲が採用されたことに対して怒りを滲ませている。
〈『ワンダーウーマン』の日本でのイメージソングって「女は一人じゃ眠れない」っていうの? それって正反対のメッセージじゃないの?〉
〈『ワンダーウーマン』さえも「女は男がいないとダメ」という方向にもってっちゃうのか。〉
〈『ワンダーウーマン』のイメージソングとして「強がり言っても女はしょせん男がいなきゃダメなのよ」という歌を男が作り、女に歌わせる悪夢。〉
ワンダーウーマンは、バットマンやスーパーマンと同じDCコミックスのヒーロー。1941年に連載がスタートし、これまでも何度か実写化やアニメ化されてきた作品だ。今回の映画では、女性だけが住む特殊な島で育ち、戦士になるための厳しい訓練を受けてきたワンダーウーマンことダイアナ(ガル・ガドット)が、島に不時着してきたアメリカ軍兵士のスティーヴ(クリス・パイン)との出会いから、第一次世界大戦の戦闘に巻き込まれていくという内容が描かれているという。