ちなみに、この問題を小池百合子都知事にも聞いてみた。下村氏の問題を報じた「週刊文春」が発売された翌日の30日の定例会見、誰も質問しなかったので、最後の質問者への回答が終わった瞬間、筆者が指名されない状態で聞いてみたのだ。
──「文春」の報道について一言、お願いします。下村さん200万円の報道、元秘書の人がリークしたとされていますが。代表として一言。
小池知事 ちゃんと手を挙げて下さい。
──手を挙げているけど指してくれないじゃないですか。(記者を)選別しないで下さい。トランプ大統領みたいなことをしないで下さい。答えてくださいよ。「文春」の報道、下村さんの元秘書の方、候補者になっていますが、下村さんは昨日(29日)の会見で「(文春に)リークをした」と言っているのですが、実際はどうなのでしょうか。
小池知事 私は存じませんし、また下村さんもしっかりとご説明する責任を、ご自身もおっしゃっているように、しっかりと説明されるのだろうと思います。選挙後になるというふうに思います。
──加計問題の本質にかかわることではないのですか。
小池知事 加計問題もやはりお友だちでずっとやってこられたことの問題で、さっきの一元制、二元制ではないですけれども、やはり権力がそこに集中することによって歪みが出てくるという一つの表れだと思います。
この問題にかぎっては、小池知事の発言に説得力があった。いずれにしても、下村元文科相の献金報道の今後の展開や平議員とのバトルは、加計学園問題の真相解明に大きな影響を与えるはずだ。その行方を注意深く見守りたい。
(横田 一)
横田 一 1957年生まれノンフィクション作家。東工大卒後、『漂流者たちの楽園』で90年ノンフィクション朝日ジャーナル大賞。その後、沖縄知事選、滋賀県知事選、新潟知事選などの重要選挙、政官業の癒着、公共事業を取材。『政治が歪める公共事業』『所沢 ダイオキシン報道』『亡国の首相安倍晋三』『新潟県知事選では、どうして大逆転が起こったのか』など著書多数。近著に『検証・小池都政』がある。このP132に「小池百合子都知事の会見指名回数順位(“好意的記者”ランキング)」の一覧表を掲載、トランプ大統領と瓜二つの記者選別ぶりについて指摘をした。
最終更新:2017.12.06 03:41