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ケント・ギルバートの中韓ヘイト本がひどい!「禽獣以下」「病的」など民族差別連発、出版元の講談社の責任は?

「慰安婦問題を語るに当たって、慰安婦という呼び方は止めるべきだと思いっています。「戦時売春婦」と改めたほうが良いのではないでしょうか」(『素晴らしい国・日本に告ぐ!』テキサス親父との共著、青林堂)
「沖縄で反基地運動をしている連中は、必ずしもサヨクというわけではありません。中には「サラリーレフティスト」(おカネをもらって反対運動をする活動家(引用者注:原文ママ))もいるんです。それから日教組の教員も加担しているでしょう。彼らは共産主義者に近い存在なんです。そして日本を憎んでいます」(同)
「噂では、移設反対運動に参加すれば、日当は一口二万円ということです」(『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』PHP研究所)
「(反基地の)デモ隊の日当を中国共産党が間接的ではありますけども払ってます」(テレビ朝日『朝まで生テレビ!』2015年11月27日放送)

 しかし、それも当然だろう。そもそもケント氏じたい、1980年代の“外タレブーム”でお茶の間の人気者になったときは右派思想の持ち主でもなんでもなく、むしろ、憲法9条擁護や在日韓国・朝鮮人への同情的な発言をしていた。しかしその後、テレビからも消え、手を出した事業も失敗。怪しいマルチまがいビジネスにまで手を出すようになっていた。完全に「あの人はいま?」状態である。

 そんなところに、ビジネスパートナーを通じて右派人脈と知り合い、2014年の朝日新聞の慰安婦報道問題の際、ブログで“朝日バッシング”を展開したところ、アクセスが殺到。そのあと、「夕刊フジ」を筆頭に「正論」(産経新聞社)、「Voice」、「WiLL」(ワック)など右派論壇で引っ張りだことなる。2015年には例のアパグループ主催懸賞論文の最優秀賞も受賞。また言論弾圧団体「放送法遵守を求める視聴者の会」の一員として、テレビ報道へ難癖をつけまくると同時に著書や共著本を乱発し、歴史修正主義発言やヘイト発言、トンデモ陰謀論をどんどんエスカレートしていった。

 ようするに、ケント氏はたまたま朝日問題について書いたところ、これまでになかった反響を呼び、メディアからも声がかかるようになった。だから、「これはいける!」と、ネトウヨ受けするような問題に片っ端から食いつくようになり、主張をエスカレートさせていったのではないか。そのふるまいの源にあるのは「中国・韓国の悪口を言って日本を褒め立ててくれる欧米人」というマーケティング的な狙いに過ぎないのではないか。

 それは今回も同様だ。その薄っぺらい中身を読むと、まさにマーケティング的な狙いにもとづいて、ネトウヨ読者に受ける手法を踏襲し、典型的な中韓ヘイト本をつくりだしたとしか思えない。

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