彼女がこの連載で綴っているネットニュース批判はこれだけではない。恋愛スキャンダルについてもこのように明け透けに語っている。
〈既に骨身に染みてご存知な人も多いかと思いますが、あえて最後に言わせてください。
とりあえずバンドマンとDJはやめといたほうがいい〉
〈所属レーベルのアーティストの皆さんたちと撮った集合写真をインスタグラムに上げたところ、それにゲスの極み乙女。の絵音くんも写ってて、
「今度はきゃりーか?」
「きゃりーに幻滅しました」
と叩かれた、きゃりーぱみゅぱみゅです。
まだまだそういうこと言ってくる人っているんですね……。つーか言わせてください。バンドマンと撮った写真をアップするたびに、とやかく言われがちな私ですが、実際バンドマンたちにとって私は、Fukaseの元カノというイメージが強すぎて、そういう対象には入らないみたいです安心してください〉
ツイッターに書き込んだら一発でネタにされて大炎上しかねないような挑発的な発言だが、この連載できゃりーがこのような原稿を書いていたのには理由がある。
〈よく「売れなくなった」と言われる雑誌などの紙メディアは、ネットとは打って変わって実に平和な世界が広がっています。というのも、紙メディアはコピペができなかったり、そもそもお店に行って買わないと読めないものなので、あまり炎上しないからです。紙自体はよく燃えるのに燃えにくいだなんて面白い話ですが、この自由さこそが、今の時代の紙メディアの良さなんだと思います〉
それって、要は「雑誌が誰にも読まれなくなっている」ってことなのでは?と思ってしまわなくもないが、記者会見で何かを話せばネタにされ、SNSに何かを書けばネタにされ、ライブのMCですらネタにされる窮屈な状況にある彼女にとって、好き放題書いてもファン以外の外野からはいたずらにネタにされない「雑誌連載」というフォーマットは貴重なはけ口であったようだ。
〈そんなわけでTV Bros.で連載を続けていくうちに、だんだんいろいろ考えないようになって、好き勝手なことばかりを書いてしまうようになってしまいました。火の手が回ってこないここは、今では私にとってサンクチュアリーのような場所。そのまんまの素の私が、ここにいます。私はこの連載を愛しています〉