これなど、まさに坂上がいま、『バイキング』で「自覚がない」などと説教している事件そのものだろう。
また、坂上はかつてキチク雑誌時代の「BUBKA」(コアマガジン、現在は白夜書房刊)での連載エッセイ「ギャンブル、女に仕事 漢の徒然記 坂上忍ろくでなし日記」で、こんなエピソードを書いている。
〈大の酒好きギャンブル好きで、稼いだ金の大半を酒とギャンブルに注ぎ込んでいました。注ぎ込む額も半端ではなく、あったらあっただけ使う、まさにろくでなしでした。時に仕事に行くと言って家を出、何故か仕事場とは逆方向の多摩川競艇場へ赴き有り金をはたいていると、場内アナウンスで母親から本名で呼び出され、仕事場に強制送還〉(「BUBKA」2007年4月号)
彼のギャンブル好きはよく知られた話で、いまでも時折テレビで発言することはあるが、前述の逸話から察しのつく通り、「ギャンブル好き」というよりも、「ギャンブル狂い」といったほうが近い。
さらに、ひどかったのが、例の「ブス攻撃」だ。もともと彼が再ブレイクしたきっかけは、12年に『笑っていいとも!』(フジテレビ)で「ブスは嫌い」と発言し、毒舌キャラとして注目されたことだった。
しかし、再ブレイク前の時期に発したブス攻撃は、『笑っていいとも!』での発言とは比べ物にならないほどひどいもの。たとえば、「CIRCUS」(KKベストセラーズ)06年8月号のインタビューに彼はこう答えている。
「ホント、ブスは嫌いですね。同じ空気吸ってるだけでイヤ。この前、親友の結婚式でサイパン行った時に、飲み会で目の前にブス3人組が座ったんですよ。「景色が汚れるから帰れ」って言いましたもん。10分くらい我慢してから言ったんですけど、涙目にはなったものの帰らないんで、頭きて最終的に僕が帰りましたよ。そのブスのひとりがシャネル着てたっていうのが、僕の怒りを助長しましたね。ただのブスもイヤだけど、シャネル着たブスは僕本当にダメ」
さらにこう畳み掛ける。
「まあ、つまんない美人と面白いブスがいたとして、どっちがいいかといえば、前者はセックスの対象にはなるな。つき合いはしないけど。後者はどっちもないな。つき合うのはもちろん、セックスだってイヤ。なぜならブスだから」
もはやギャグでもなんでもなく、嫌な気持ちにしかならない差別発言そのものだが、驚いたのはその坂上がMCをつとめる今年1月3日放送の『好きか嫌いか言う時間 新春から超々々大激論SP』(TBS)だった。そのなかに「顔面格差社会をぶった斬る!」というコーナーがあったのだが、過去の「ブス嫌い」発言は申し訳程度に紹介されたものの、坂上は一切、「ブス」を攻撃するような言葉を口にしなかったのだ。