しかも、決定的なのは、松本は自分自身が事務所に守られているということにまったく無自覚なことだ。たしかに、松本の所属する吉本興業はジャニーズやバーニングのように、なんでもかんでもタレントの批判やゴシップを封殺するような体質ではないが、こと松本の問題については別。それこそ、テレビやスポーツ紙はもちろん、エロ本や実話誌レベルの悪口に対しても抗議をしてくることで有名だ。その結果、松本人志は過去のゴシップをほじくりかえされることもなければ、プライベートの家族生活を覗き見されることもない。『ワイドナショー』でこれだけ強者の論理を振り回してもマスコミでは誰からも批判されることはない。事務所のおかげで、松本自身もジャニーズやバーニング並みのメディアタブーになっているのだ。
ところが、松本は今回の『ワイドナショー元旦SP』では自分が加害者の側にいることを完全に棚上げして、まるで被害者気取りで、テレビを嘆いて見せたのだ。これなら、自分がバーニングに守られていることを自覚して、本音を漏らしたウエンツのほうが、正直な分、マシだろう。
いずれにしても、松本が芸能報道の偏りを本気で嘆いているのなら、今後、事務所にあの記事を潰せとか、あそこに抗議しろ、なんてことを一切言わないことだ。そして、『ワイドナショー』でバーニングプロのレコ大1億円買収問題や嵐・松潤のAV女優との二股交際を取り上げればいい。それができないなら、結局、今のテレビが変わることはないし、世間とのズレも埋まることはない。
(本田コッペ)
最終更新:2017.11.15 05:43