松本はそのギャップに警鐘を鳴らしたわけだが、この発言には、番組の共演者たちは完全に凍りついていた。とくに、ゲスト出演していたウエンツ瑛士は自身がバーニングに所属しているということでかなりうろたえ、涙目になりながらこんな本音をもらしてしまった。
「いい面も悪い面も両方あると思うんですよ。もうそれは。あのー、それでうまく……まあ、うまく回るって言葉がすごく汚いとは思うんですけど、それで、テレビをより楽しみやすくしてる部分も絶対あると思うし、うーん、すっごい難しい」
「絶対自分だって、守られてる方の身なんですよ。だから、だからっていうわけにもいかないんですけど、じゃあ、自分とこもぶっ壊してくれとか、そういうわけにもいかないじゃないですか。だから最終的には、俺を殺してくれという気持ちでやるしかないんですよ」
しかし、当然だが、ネットは「松ちゃんよく言った」という声であふれかえっている。「自分もタレントでありながら、ここまで踏み込むというのは、さすが」という評価が大勢を占めている。
だが、本当にそうなのだろうか。たしかに松本はこれまで誰も触れなかった大手芸能事務所タブーの問題には触れた。しかし、具体的に「ジャニーズ」とか「バーニング」の名前を挙げたわけではなく、結局、タブーを温存させたまま。しかも、こんな主張をしていた。
「僕らだってバカじゃないから、そんな好き勝手言えないもんね」
「触れないことの残念さというか、結局それって、一番損すんのはタレントやと思うんです」
「芸能界を誰も信用してくれなくなってくるっていうのが、僕は嫌やなって思います」
ようするに、松本はネットで話題になっていることを口にできないのは自分のせいじゃないといい、むしろ自分たちはテレビ局に恥をかかされている、と不満を語っていたに過ぎないのだ。これは明らかに責任転嫁というヤツだろう。
そもそも、松本くらいのポジションになれば、ジャニーズだろうがバーニングだろうが、何をいってもテレビ局から抑えこまれることはないはずだ。それを自主規制しておいて、自分がテレビの被害者のように語るのは、卑怯すぎないか。