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関東連合元リーダーが実名で“IT長者”たちの夜の素顔を暴露! 楽天三木谷、サイバー藤田、ホリエモン…

 また、本書にはもうひとつ興味深い内容が記されていた。それは関東連合のメンバーたちが実業界や芸能界などに食い込んでいった経緯だ。

 すでに、柴田の前著やさまざまな報道で、関東連合が大王製紙の井川意高元会長などの企業経営者、広末涼子の元夫でモデルの岡沢高宏、伊勢谷友介、長澤まさみなどの芸能人と接点をもっていたこと明らかになっている。

 しかし、本書はこうした関東連合の表の世界への侵食がなぜ可能だったか、その原因について、こう分析している。

〈本来、交わることのなかったはずのエスタブリッシュメントと街の半グレをエマルションさせたのは、実はITだった〉

 関東連合がITというのは意外だが、柴田自身、ある時期からネット広告業に進出して大儲けしていた。広告主は、サラ金業者、出会い系サイト業者、無修正アダルト動画で、柴田によれば、ライブドアやサイバーエージェントも黎明期には同じようにグレーゾーンのビジネスに手を染めていたのだという。

 そして、もともとコンプライアンス意識の低かったITやベンチャー経営者たちが西麻布などで派手に遊ぶようになり、柴田のような関東連合系の経営者と接点をもつようになっていったということらしい。

 たとえば、同書には、楽天の三木谷浩史会長、サイバーエージェントの藤田晋社長、USENの宇野康秀会長、テイクアンドギヴ・ニーズの野尻佳孝会長、GMOインターネットの熊谷正寿会長などの錚々たるIT、ベンチャー長者たちが、当時、脱法行為に近いガールズバーを共同で所有していた話が書かれている。市川海老蔵事件で有名になったバルビゾンビルにあり、国際指名手配中の見立容疑者もしょっちゅう出入りしていたこの店にはプライベートフィルムが貼られたオーナーズルームがあり、IT長者たちは中が見えないその部屋で、夜な夜な女をはべらせ、宴に興じていたというのだ。

 同書には、他にも、堀江貴文と女性をめぐってトラブルになったエピソードや、あのグッドウィル・グループの折口雅博との生々しい交友の記録も出てくる。とくに折口をめぐっては、女子高生の制服など「悪趣味な写真」を収集する折口と、それをネタに多額の金を要求する元関東連合メンバーとの間に入り、柴田自身がスキャンダル潰しをした一部始終も克明に記している。

 まさに関東連合関係者だけでなく、さまざまなジャンルに波紋を投げ掛けそうな一冊だが、それにしても、柴田はなぜ、実名で改めて関東連合を暴露する本を刊行したのか。取材に対し、柴田はこう答えた。

「実名を出さないのは卑怯だと言われるのが癪だからです。すでにネット上でも人間関係でも工藤明男イコール柴田大輔、もしくは元関東連合というのは周知の事実ですからね。『いびつな絆』執筆時は、虚像とも言える肥大化された関東連合のイメージを等身大に伝えることで、フラワー事件における裁判が適正に行われることが目的でした。しかしまだその虚像に取り憑かれているのか悪用しているヤカラがいるので、関東連合ということを語ることすら恥ずかしいという風潮を作りたいと思い、『聖域』を実名で刊行することにしたのです」

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