しかも、鶴保大臣はただの大臣ではない。沖縄の米軍基地問題を担当する沖縄・北方相である。鶴保大臣は就任会見でさっそく、「沖縄の振興策と基地問題は確実にリンクしている」「消化できないものを無理やりお口開けて食べてくださいよでは、全国民の血税で使われているお金を無駄遣いしているという批判に耐えられない」などと発言。また8月9日に沖縄県議会議長らと会談した際にも「仮に額が減ったとしても、やることはいっぱいあるはずだ。額ありきではない」と政府の基地政策に反対するなら、金をやらないという恫喝発言を行っている。
その後、沖縄の反発から「最低限3千億円は維持したい」と前言を撤回したが、しかしこうした身近な女性たちに対する身勝手な仕打ちを見ると、今度はその矛先が沖縄に向かうのではないかと危惧せざるを得ない。
ところが、新聞、テレビはこの鶴保大臣の問題を一切報道しない。「プライバシーの問題だから」などと言い訳をしているが、「離婚届強要」「勝手に離婚届提出」「モラスハラスメント」というのは、明らかに違法行為であり、国会議員、大臣としての資質に関わることだ。結局、いつものごとく、安倍政権の圧力に怯えて、自主規制をしているだけなのだ。
安倍首相に尻尾をふる自民党の国会議員ならば、どんな人格破綻者でも、どんな差別主義者でも批判されないし、大臣にだってなれる。この国はいま、そういうことになっているらしい。
(伊勢崎馨)
最終更新:2016.08.27 11:59