セブン-イレブン・ジャパン公式HP「ごあいさつ」より
セブン-イレブンの天皇・鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任表明に伴い、新たな経営体制を検討してきたセブン&アイ・ホールディングス(HD)の指名・報酬委員会は15日、中核子会社セブン-イレブン・ジャパン社長を務める井阪隆一取締役をHD社長に昇格させる人事案を決め、19日の取締役会で決定。後藤克弘常務を新設する副社長に充て、井阪氏を支える体制をつくることになった。
セブン-イレブンといえば、加盟店への搾取やアルバイトにまで商品の買い上げノルマを課すなどのブラックバイトが横行していることから、昨年11月末には「ブラック企業大賞」を受賞している。
今回の騒動で、奴隷的なフランチャイズシステムを作り上げてきた鈴木・セブン商法の終わりかと思いきや、そうはいかないようだ。
というのも、井阪社長こそが、ここ最近のブラック企業化を推し進めてきた張本人だからだ。あるオーナーはこう嘆く。
「ここ最近、近隣にセブンが何店もできて共食い状態になるドミナント戦略や、アルバイトにまでキャンペーン商品のノルマを押し付けるブラックバイト問題が指摘されますが、これは井阪社長がセブン-イレブンのトップになって加速したものです。昨年末には、ブラックバイト問題の対応を促すために、厚生労働省と文部科学省が連名で『学生アルバイトの労働条件の確保について』という要請文が日本フランチャイズチェーン協会会長宛に出され、セブンの加盟店各店にもコピーが送られてきました。しかし、要請文は労働時間や『アルバイトの年次有給休暇』など現在のセブンの環境では守れないことも多く書かれている。セブン本部はその実態を知っているはずだが、巡回に来る指導員に相談しても何の対応も対策も出てこない。ブラック対策をせずに、ただ、文書を配っただけなのです」