May J.『私のものじゃない、私の歌』(TAC出版)
May J.といえば、一昨年、映画『アナと雪の女王』の主題歌を歌って、激しいバッシングにさらされたことも知られるが、そのMay J.が最近自伝『私のものじゃない、私の歌』(TAC出版)を出版。その中で、当時の心境や、バッシングについての分析を赤裸々に告白した。
まず彼女は『アナと雪の女王』の主題歌をめぐるバッシングが始まったときのことをこう振り返る。
〈私へのバッシングの声が出始めたとき、正直、最初は“?(はてな)”でした。
Facebookをやっていると、フォローをしなくてもニュースとか入ってくるじゃないですか。で、「May J.はどうしてバッシングされているの?」みたいな、そういうテーマが記事になっているのを見て「え、私、バッシングされているの?」って初めて知ったんです。そこからTwitterとかを追っていくと、「May J.またカバーだし」「私もそう思った。ムカつく」ってどんどんコメントが増えていくんですよ。バッシングってこういう風に広がっていくんだって、すごく怖くなりました〉
当時、『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系)のカラオケ企画に出演し、また、Sugar Soul「Garden」のカバーなどただでさえカバー曲しかヒットのイメージがなかった彼女が、またもや「カバー」(後述するが、劇中歌とエンドソングはアレンジなどが違うため、彼女の「Let It Go〜ありのままで〜」は厳密にはカバーではない)でヒットを飛ばしたことにより、世間からは「便乗している」「調子に乗っている」と受け取られ始めた。
そして、さらにこのバッシングをひどくしたのは、ご存知の通り、エルサ役の吹き替えを担当し、劇中で「Let It Go〜ありのままで〜」を歌った松たか子がメディアでその歌声を披露することは一切なく、一種「神格化」すらされる一方で、May J.はたびたびこの曲をテレビで披露していたことだった。「松たか子バージョンを一度でいいから聴いてみたいのに、聴かされるのはいつもMay J.バージョンの方」。そういった不満がバッシングをより強めていくことになる。
そんな声が上がり始めていた時期の2014年8月10日、彼女は『情熱大陸』(TBS系)に出演するのだが、そこでの発言が、May J.バッシングの声に対し、さらに火に油を注いでしまう。
「なんでエンドソングはMay J.が歌ってるの?という風に思ってる人が多いというのが……。そういう仕組みなんだけどなっていう。全世界で必ず劇中歌の人とエンドソングっていうのはアレンジが違う、そして歌ってる人も違うっていう共通があるんだけど、それを理解されていないのがすごく残念ですよね。それでも自分が日本版の主題歌を担当させていただいているし、しっかりと責任感を持っていい歌を歌い続けるしかないんですよね。人になんと言われようと」