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NHK理事の中に官邸との連絡係が…NHKの現役職員が安倍政権との癒着、籾井支配の実態を告発!

『安倍政治と言論統制』(金曜日)

「我々は誰のプロパガンダをやっていることはまったくない。文句を言われるかもしれないが」

 先月3月31日の参院総務委員会で野党の「NHKは政権のプロパガンダをやっているのではないか」という質問に対して、NHKの籾井勝人会長がこう発言。質問を「文句」扱いしたことを追及され、撤回・陳謝した。

 2014年1月25日の会長就任記者会見から「政府が右と言っているのに、我々が左と言うわけにはいかない」「(従軍慰安婦は)戦争をしているどこの国にもあった」と述べ、以後、暴言を連発してきた御仁なだけにいまさら驚きもないが、問題は、ますます“国営放送”化していることだ。

 ご存じの通り、NHKの看板番組であり、高く評価されてきた報道番組のひとつだった『クローズアップ現代』では、先月をもって国谷裕子キャスターが降板。昨日より22時に時間帯を移し、『クローズアップ現代+』として新装スタートした。

 昨夜は「野球賭博問題」をテーマに賭博にかかわった松本竜也・元読売巨人軍選手の独占告白を放送したが、選手の倫理観を問うばかりで構造的問題には踏み込まず、まったく食い足りない内容だった。また、新装感を演出するためか、番組内では議論を可視化するグラフィック・レコーディングを取り入れていたが、これがたんなる幼稚な落書きにしか見えず、まったく機能していないのも痛々しかった。

 集団的自衛権行使容認における憲法解釈の疑問点を的確に質問した国谷キャスターをおろし、番組を無害化する計画が完全に現実化したという印象だが(詳しくは過去記事参照)、このようなキャスター降板劇や政権の意向を反映させた番組内容に、籾井会長はどれほど関わっているのか。

 先月発売された『安倍政治と言論統制』(金曜日)のなかで、NHK職員は、〈実際には、籾井が具体的な番組内容について、直接、何かの指示をしたとか、担当者に圧力を加えたといった話は、ほとんど聞かない〉と述べる。だが、だからといって「やはり政治圧力はないんじゃないか」と決め付けるのは早計だ。むしろ同書では、籾井体制の歪んだ構造がこんなふうに告発されている。

〈(籾井会長は)現場の担当者に直接注文をつけるようなことをすれば、それこそ外部に漏らされて、また国会に呼びつけられるなど大変なことになるということは、理解できるようになったのだろう。しかし、首相からNHK会長にしてもらったという恩義を強く感じていることは間違いなく、少数の側近と言われる理事らには、個別の番組内容や出演者についての不満を口にしていたようだ。それは、直接か、間接的にか、という違いはあっても、それとなく現場の担当者にも伝わる〉
〈特に、原発再稼働や安全保障に関すること、さらに従軍慰安婦などの歴史認識の問題をめぐっては、出演者に発言を自制するように頼んだり、予定していた出演者を差し替えるといったことがしばしば起きている〉

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