ところが、深キョンからはそういう病みのようなものはみじんも感じられない。32歳になっても昔とほとんどかわらず、同世代の女優の中では圧倒的な透明感を保っている。
この秘密はもしかしたら、彼女の男との付きあい方にあるのかもしれない。以前、あるバラエティ番組で深キョンは好みの男性のタイプを聞かれ、「忙しくない人がいい」と答えた。「私が仕事中心に生きたいから、男性には私中心でいてほしいから」と。
つまり、深キョンは男に選ばれたり、遊ばれたり、合わせたりなんてことは一切しないのだ。自分から男を選び、男に求める。そして拒否されたり、飽きたりしたら、自分からあっさり捨ててしまう。まず自分。ふわっとした印象に騙されがちだが、かなり強い芯というものをもっているのだ。だから、どれだけ出会いと別れを繰り返しても、汚れないし、傷つかない。
しかも、深キョンがさらにスゴいのが、多くのスキャンダル女優が30歳をすぎると急に結婚や出産という安定を求め始めるのに対して、そういうそぶりも全く見せないことである。
「GOETHE」(幻冬舎)14年10月号のインタビューでは「20代の頃は、自分も近い将来結婚するのかなと思ったこともありましたけど、最近は憧れも焦りもない状態。結婚したくないわけではないですけど、しばらくなさそうですね」と結婚の予定がないことを明言している。ああ、なんてカッコいいんだろう。最近、かびのはえたような貞操観念を押し付ける道徳教育を復活させる動きがあるようだが、こういう深キョンのような女性をこそ、道徳の教科書にのせるべきだ。
という冗談はともかく、10月21日にスタートするTBS系ドラマ『女はそれを許さない』(毎週火曜午後10時)で主演を務め、自身初となる弁護士役に挑戦するという深田恭子。女優としての新しい顔を見せてくれそうで、とても楽しみである。
(酒井まど)
最終更新:2016.02.23 07:04