左から「週刊女性」(主婦と生活社)、「VERY」(光文社)、「女性セブン」(小学館)
昨年の安保法案騒動で、その存在感を放ったのが女性週刊誌だった。大手新聞や男性週刊誌が安倍政権からの圧力や懐柔で精彩を欠く中、戦争へ突き進む安倍政権を真っ向から批判し、原発事故での放射線被害を特集するなどの社会派報道が大きな話題となったが、心強いことにその流れは現在でも顕在だ。
そのひとつ「週刊女性」(主婦と生活社)では、今年の2月23日号でも「憲法を変えて『戦争をする国』になるの?」と題し、憲法改正問題に10ページもの誌面を割いての大特集を組んでいる。
しかも記事では、安倍政権が突破口として新設を目論む「緊急事態条項」の危険性や、自民党憲法改正草案の“ヤバさ”を指摘し、安倍首相が突き進めようとしている改憲に大きな疑問を投げかけている。
「ナチス・ドイツでヒトラー政権が好き勝手に振るまえるようになったのは、緊急事態条項を悪用することで、当時もっとも民主的と言われたワイマール憲法を停止させたからでした」
「緊急事態と認められたら、市民や自治体が国の指示に従うことを強制されるなど、憲法で保障された基本的人権が過度に制限される可能性があります」(同特集より)
さらに、緊急事態条項の本質は「アメリカの戦争に自衛隊を送り出す仕掛け」として、日本が直接武力攻撃を受けていなくとも、存立危機事態だとして自衛隊を海外に派兵、戦争に参加させる可能性を指摘している。
また、「緊急事態条項」だけでなく、海外NPO関係者たちの「自衛隊に来てほしくない」という切実な声や、改憲に反対する野党政治家のインタビュー、さらには学生たちの声を取り上げるなど問題点を広く網羅し、大きな疑問を投げかけるものだった。