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38年の沈黙を破り田宮二郎“猟銃自殺”の真相を遺族が告白! 夫人は「白い巨塔が原因」、長男は「植毛がきっかけ」

 しかし幸子夫人の思いとは違い、田宮は断りきれず次のシリーズを引き受けていく。そして、夫人が危惧したように、過密スケジュール、心労が田宮の身体を蝕み、異変が表面化していく。現場で異常な言動を重ね、家庭内でもささいなことで激昂するようになったのだ。旧知の精神科医・斎藤茂太に診断されたのは「うつ病」だった。さらにその病に乗じるように田宮に怪しい人物たちが接近してきた。「M資金」を吹き込む者や、「トンガのウラン採掘権」などをささやく者――。

「まともな状態であれば田宮もそうした話に乗ることはなかったと思う。精神が壊れていく過程にあって、ありもしない詐欺話にのめり込んでいったのです」

 金策のために土地の権利書や実印を持ち出そうとする田宮とそれを止めようとする幸子夫人の間でケンカが絶えなくなり、田宮はいつしか夫人を目の敵にし始めたという。

「ある日、胸ぐらをつかんで階段から突き飛ばされそうになった時は、このままでは殺されてしまうと思いました」

 こうした田宮の状況を見て長期療養させることを決断した幸子夫人だが、しかしそこに舞い込んだのが『白い巨塔』のドラマ化だった。

 当然、夫人は受けさせたくない。そこで、フジテレビと喧嘩別れせずに出演依頼を断るために、わざと無理難題をふっかけたのだという。破格なギャラ、豪華キャスト、プロデューサーとして夫人も参加すること――。

 しかし是が非でも田宮を起用したいフジはこれらの条件を全て飲んだ。

「本来ならばいい仕事のチャンスに恵まれたんでしょうけど、精神病を抱えて、心ここにあらずの状態ではやらせるべきではなかったと痛感しております」

 そして、田宮の精神の変調はさらに激しくなり、12月26日、クランクアップしたドラマ最終回の試写を幸子夫人と一緒に観た2日後、自ら命を絶った。

 このように、「アサヒ芸能」の告白の中で、幸子夫人はしきりに、仕事を止めきれなかった自分を責めていたのだが、少し違う見方をしているのは、長男で俳優の柴田光太郎氏だ。

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