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「2016年、山里世代がお笑い界をリードする」は本当か? 山里、ノンスタ井上と又吉、西野の間にある断層とは

 ファンに手を出していると堂々と話すウーマンラッシュアワーの村本大輔も「炎上」を使ってのし上がってきたひとりだ。

 彼がバラエティ番組に呼ばれるようになったのは、「ファンを抱いている」と公言する「ゲスキャラ」を売り出し始めたことにある。通常、芸人たちの暗黙のルールとして「ファンを抱いている」ということは言ってはならないタブーとされているが、なぜ村本はタブーを破ることになったのか。これは逆転の発想から生まれたものだったらしい。

「あるとき、僕がラブホテルの前で女のコを必死で口説いているところを芸人仲間に目撃されて、そのことを舞台でバラされたんです。それを聞いてお客さんはドン引き。でも、そこで「ちょっと待てよ?」と思ったんです。楽屋では芸人たちがコンパした、エッチした、3Pしたという話をガンガンしている。それなのに、舞台の上ではそれを秘密にして、僕のことだけを責めていたわけです。一人をつるし上げてみんなが自分の身を守る、政治家と同じ手口ですよ。
 そこで僕は「よし、こいつらに復讐しよう」と思ったんです。僕を含めた芸人たちがファンに手を出して遊びまくっていることを全部まとめて言うことによって、コイツらは震えあがるだろうと。僕は自分から言っているから、たとえ責められてもノーダメージ。そうやって裏のことを全部言ってやろうという気持ちから、こういうファイティングスタイルになりました」(「FLASHスペシャル」2014盛夏号/光文社)

 こうして生み出した「ゲスキャラ」がきっかけで村本はバラエティ番組への出演を果たし、13年の『THE MANZAI』優勝へとつながっていく。まさに「炎上」や「舌禍」を武器に変えた、この世代ならではの「成り上がり方」と言えるだろう。

 NON STYLEの井上裕介の場合は、さらにそれを進化させたといってもいいかもしれない。もともと、井上はその芸風がネットの反発を買い、しょっちゅう炎上を繰り返していた。だが、井上はそれを逆利用し、ツイッターで書き込まれる悪口をポジティブに返すというブランディングを展開したのだ。これがネットユーザーの間で評判となり、『スーパー・ポジティヴ・シンキング』『まいにち、ポジティヴ!』(ともにワニブックス)などのヒット本を次々出版。お笑い芸人としてのポジションも、一時の頭打ち状態から一気に巻き返した。

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