今後政府は安田氏救出にどう動き、マスコミは何を報じるのか(安田純平Facebookより)
今年6月から7月にかけて、シリアで消息を絶ったとみられていたジャーナリストの安田純平氏に関して、昨日23日、新たな情報があった。
パリに本部を置く非政府ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が22日、ホームページで、安田氏がシリアで武装勢力に拘束されているとして、早急な解放を求める声明を掲載したのだ。
〈「国境なき記者団」は日本政府に対し、安田純平さんの解放のためにあらゆる手段をとるよう求めた。彼は日本のフリージャーナリストで、7月にシリアで誘拐され、今も武装勢力の人質となっている。
国境なき記者団が昨日入手した情報によると、安田さんを捕まえている武装勢力は身代金の支払いの期限をカウントダウンし始め、もし支払いが遅れれば、彼を処刑するか他のテロリストたちに彼を売ると脅している。
安田さんは7月のはじめ、シリアの国境に入ってから数時間後に、アル=ヌスラ戦線の支配する地域で武装勢力に誘拐された。安田さんが取材しようとしていた情報には、1月にISISに処刑された彼の友人であるジャーナリスト・後藤健二さんの情報を含む〉(声明より、編集部訳)
共同通信によれば、政府高官は「日本政府はしっかり対応している」と述べ、拘束の確認も含めて情報収集を強化する考えだという。
しかし、これまでの安田氏をめぐる対応を見ていると、残念ながら日本政府には期待できないだろう。
というのも、本サイトは今年7月13日、安田氏がシリアで拘束されているとの情報を記事にしていたが、当時取材したところ、官邸担当記者はこのような証言をしていたからだ。
「政府も7月はじめには拘束の事実を把握していたようです」
7月の時点で安田氏拘束の事実を把握していながら、しかし菅義偉官房長官ら政府は救出に向け動くどころか、むしろ拘束情報を隠蔽しようと躍起になっていたのである。